episode2
episode1から随分遅れましたが第2話投稿させて貰いました。
感想などお待ちしております。
「はぁ…………」
一気に魂が抜けたような大きなため息が聞こえた。
俺は自分に能力が無いことを知りしばらく呆然としていた。
「ゆ、悠?大丈夫?」
「あぁ……」
俺は返事なのか何なのか分からない気の抜けた声を出した。
「ま、まぁ過ぎちゃた事は忘れて魔法の勉強をすればいいじゃない。」
「そ、そうだな。過ぎたことは忘れよう。」
ん?今"魔法"って言ったよな?聞き間違いでは無いよな?一応聞いてみるか。
「なぁ、この世界って魔法もあるのか?」
「魔法はあるけど…」
「そ、その魔法は誰でも使えるのか?」
自分でも少し興奮していることがわかった。
「誰でも使えるけど扱いが難しいわ。」
「でも、勉強すれば使えるようになるんだろ?」
せっかく異世界に来たのだから一つくらい何か特別な事をしたいと必死に俺は考えていた。
「まぁそうだけど。初級魔法と中級魔法では扱いの差が激しくてなかなか習得できないわ。」
「その魔法はどこで勉強するんだ?」
「学校があるけど…今は夏季休暇中だから転入するとしても休暇が終わらないと無理ね。」
「夏季休暇って今はどう考えても冬だろ。」
外は夏とは思えない程寒かった気がした。
「あー。その事なんだけど。どうやらこの世界は私達がいた世界とは逆のようなのよ。」
「逆って?」
「要するに春夏秋冬が逆で夏が寒くて、冬が暑いってこと。」
なんかややこしいな。
「それより、魔法は学校以外に勉強出来ないのか?」
「んー。そうね……館長に教わるのがいいわ。私も基礎魔法は館長に教えて貰ったし。」
「よし。戻るぞ七夢。」
「え?また戻るの?一人で行けばいいじゃない。」
「お前がいた方が楽に頼めるだろ?」
「そうだけど…」
俺は全然動こうとしない七夢の手を取り走った。
「ちょっ、ちょっと悠!?」
「図書館では静かに。だろ?」
「うぅ……」
俺はとにかく魔法が使いたいと考えていた。
ハァハァ…
異世界に来ても運動能力は変わらないか……
「悠、付いたんだから手離してよ…」
「あー。悪い勝手に手繋いだりして悪かったな。」
何故か七夢は怒っているように見えた。
――――コンコンコン
「館長、失礼します。」
「おぉ悠か。どうした?」
「館長!俺に魔法を教えてくれ!!」
読んで下さりありがとうございます。
いつ投稿するかわ分かりませんがepisode3も待っていて下さい。