表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/18

番外編 女神の眠りのそのあとで その3~ぐだぐだな旅~

「こいつと旅に出るなんて、妙なことになったものだ」

「妙なんて言うなよ!親友だろ!」

「親友じゃない」

「じゃあ相棒で!」

「………それは………。」

(照れてる…、けど、口に出したら殴られるな、こりゃ)

……こうして俺たちのぐだぐだな旅は始まったのだった……


☆☆☆


「何このクソデカい荷物……」

「荷物係は雇われのお前の仕事」

「くそっ……重い……」

「魔力を流せ」

「えっ……は?軽くなった!?」

「地属性の重力制御を仕込んでおいた(ふふん)」

「すげぇ軽い……うわっ!」

「大きさは制御できない。風の影響は受けるぞ。気をつけろ。」

「先に言えー!」


☆☆☆


「次の街まではまだか」

「どうした?顔色悪いぞ」

「トイレにいきたい」

「なーんだ、そのへんの林でして来いよ」

「なん……だと……!?」


☆☆☆


〜夜、宿屋にて〜

「今日行ったあの魔法陣って結局なんだったんだ?」

「風魔法……乾燥と循環、つまり古代の倉庫だな……」

「そういうのも調べてるんだなー……モグモグ」

「食べながら喋るな。つまりあそこは昔の穀物か何かの保管場所で……」

「ソレイルはもうちょっと喋ってないで食べろ。」

「十分食べた」

「少食だなぁ……モグモグ」


☆☆☆


宿の主人「すいません……今日は一部屋しか空いてないんですよ」

「えっ」

「ベッドの数は?」

宿の主人「1つ」

「……」

「……」

………

「譲れ」

「今日はさすがに疲れた……」

「雇用主さまだぞ」

「相棒だろ」

「お前のほうが範囲も背もデカい……」

ぎゅうぎゅう


☆☆☆


「………」

「………」

「出来た!土壁!」

「ようやくマトモな発動が……長かった」

「なんだよ〜、お前土壁使えないくせに〜」

「調子に乗るな。焼くぞ」

「ごめんなさい本気の炎は怖いです止めてください」

「大体簡易魔法陣を利用すれば俺にも土壁は……」

「うん、本当にごめんな……」


☆☆☆


〜夜、野宿にて〜

「今日は雨もふらなさそうだし……土ドーム!テントのかわり完成!」

「後は俺が結界を張る」

「それ、大丈夫なのか?雨は通しちゃうんだろ?」

「体感しろ」

「あれ?近づけない?あれ?」

「触れると感知付きの便利さだぞ。甘く見るな」


☆☆☆


「それで?猫を探して引っ掻かれて子供を捜索して誘拐犯に間違われかけ、挙句に下水掃除で泥だらけ、と……」

「だってみんな困ってたんだ!」

「……善意のバカはこれだから……頭が痛い。」

「でもありがとうって言われるのは嬉しいぞ!」

「盗賊に騙されかけた奴が何だって?」

「世の中、裏切るより裏切られるほうがマシ、じゃないか……?」

「バカ(善人)め……さすがにどうかと思う…」


☆☆☆


〜酒場にて〜

「酒の発酵はな、意外かもしれないが土属性がかなり影響する。暗く深く静かにその場を保つ。魔方陣はこうだ。暗さを落として、静かに……」

「お前酔うと面倒くさいな」


☆☆☆


「お前は何が好物なんだ?俺は鶏肉たっぷりのシチュー!」

「知ってる。俺は……皮のついた果物か、多量に置かれている野菜に安心感を感じる」

「安心感じゃなくて好きな食べ物の話だよ!」

「……?特に物を食べたいという気持ちはない」

「この偏食少食め……」


☆☆☆


〜野宿の用意〜

「よし、薪集めたぞ、火頼む」

「ん。」

「便利だなぁ……俺も魔法もっと覚えたい。」

「7〜8歳から13〜14歳までみっちり家庭教師に教え込まれるか学校に行って、その後も行けるなら上級魔法院で研究漬けだぞ。」

「……やっぱりいいや……」


☆☆☆


「なあ、3属性持ちって天才なんだろ?」

「天才というか天災だ」

「?」

「言い換える。災害だ。」

「さいがい」

「視界を闇に閉ざし炎を風に乗せて戦場を作る。地震を起こして津波を起こして日照りで全滅させる。精神と肉体を超広範囲で回復させ続ける無敵の軍団が作れる。言わば化け物だ。……魔法の才能は、呪いだな……」

「お前にとっても、呪いだったか?」

「……今は解けてるよ。」

「そっか。」


☆☆☆


「なんだそれ。光るキノコ?」

「発光キノコだ。光るぞ。」

「見れば分かる……というかそれどうするんだ?」

「リュミエールに贈る」

「次期公爵にそんなモン贈るな!!!」

「そんなモンとはなんだ。光と地の複合属性を持つ大変珍しいキノコだぞ。つまり、地の属性しか持たないお前より上だ。」

「キノコ以下!?」


☆☆☆


「この町の壁材は……ああ、南より大分石が多くなるんだな、採取」

「人の家の壁削るなよ……と言うか飯は……」

「柱の構造が面白いな……メモだ」

「先に何か食べようぜ〜…」

「屋台とかさっきあっただろう。行ってこい。」

「一応護衛なんだよ、忘れんな。……なあ、飯……」

「……仕方ないな。付き合ってやる」

「やった!お前は何食べる?」

「オレンジでいい」

「もっと食え!」


☆☆☆


〜極寒地域にて〜

「今日はオーロラの観察をする!」

「寒い……」

「オーロラは基本的には光と風の魔力が合わさっている。光の男神と風の女神の伝説にもあるな。」

「寒い……」

「水の男神の影響によっては逆さオーロラとかも見られるらしい……今日のタイミングはかなりいいぞ……」

「なあ、寒くね?」

「………寒い。」


☆☆☆


「よーし!みんなー!鬼ごっこだ!」

孤児院の子供たち「わーい! にげろ! こっちだよー!」

「……あいつは本当に子供に好かれるな……ん?」

孤児院の子供たち「……おねえちゃん、なんのごほんよんでるの?」

「……お兄ちゃんだ。……魔法に興味あるのか?」

孤児院の子供たち「うん!」

「なら簡単な魔法陣でいいなら教えてやろう……」

「あいつ意外と子供に好かれるなー」


☆☆☆


「何作ってるんだ?」

「魔法陣。リュミエールに贈る」

「お前が作ったやつなら大丈夫だろうけどさ……一応どんなの作ったか聞かせてみ?」

「光と水の複合魔法陣だ。起動すれば障壁を張り、傷を癒やすぞ。」

「お前光と水ってピンポイントで使えないのに……作れるのか?」

「魔法陣の事だからな。作るだけなら任せておけ。」

「すげーな……」

「そうだろう?(ふふん)ちなみに起動テストはお前にやってもらう。」

「結局俺か!」


☆☆☆


「だから何回も言った」

「はい……」

「あいつは怪しいし、首を突っ込むなと何回も!」

「はい……」

「このトラブルメーカー!盗賊に騙されて3日間牢屋に入る気分はどうだ?」

「本当に申し訳ありません……」

「お前は近衛騎士だろうに……巻き込まれる俺の身にもなれ。」


☆☆☆


「なるべく少なくしてるとはいえ、荷物増えてきたよなー。無限に入る魔法の鞄!とかないのか?」

「ない。そんなものあったら世界の物流の革命だ。……広げる魔法陣は…、重力操作は……。」

「なんか考え出したぞ」

………数時間後………

「それで、どうなった?」

「無理だった。」


☆☆☆


「お前、腰を落ち着ける気とかはないのか?」

「もてない俺への嫌味か」

「いやもててただろう……旅に出る前に、クロエとか、リヴィとか……」

「いい客だったってだけだよ!リヴィは妹みたいなものだし!」

「はぁ……」

「なんだよそのため息!」


☆☆☆


〜風邪っぴきその1〜

「大丈夫か」

「大丈夫じゃない……(ゼーゼー)」

「健康が取り柄のお前が珍しい……(額にタオルを乗せる)」

「ごめん……このタオル絞って……」

「しまった……」

(ゼーゼー)

「(俺が光を使えたら直してやれたのにな……)睡眠」

「(すや……すや……)」

「……スープでも作るか」


☆☆☆


〜風邪っぴきその2〜

「大丈夫か?」

「(ゼーハーゴホゴホ)大丈夫に見えるのか……」

「と、とりあえず飯は作ってみたから……」

「(ゴホゴホ)肉ばっかりじゃないか……」

「で、でも肉は栄養あるし、元気になるぞ」

「今は……食べられる物を……」


☆☆☆


「今日はお前が釣った魚を煮付けにしてみた」

「お前旅に出てからじわじわレシピ増えてくな……」

「面白い」

「どういうところが?」

「正確な下ごしらえ……地域によって調味料の分量で味が僅かに変わる。焼き時間によっても結果が変わる……ふふ」

「研究から離れろ!」


☆☆☆


「深く、深く、死に近いほど……安らかに、眠れ……」

「おお、眠った……これでこの人は大丈夫なのか?もうあんなに恐慌して生きていかなくてもいいのか?」

「まかせろ。安らぎを与えるのは……俺の役目だ。」

「これで一般常識もあれば完璧なのにな……」

「今何か言ったか」

「イイエナニモ」


☆☆☆


〜旅はつづく〜

「次はどこに行く?」

「見たことのないものを見に、だ。」

「最初からブレないなー」

「お前は……いいのか?俺の当てのない旅に付き合わされている」

「今更だな!……本当に今更だよ、俺はお前の相棒!どこだってついてくさ!」

「近衛騎士だろう」

「そこは相棒って言ってくれよ〜」

「五月蠅いな。……両方だ。これでいいか。」

「相棒~!!!」

「………言わなきゃよかった」


……妙な旅だ。

だが――悪くない。

旅は、まだまだ続いていく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ