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無限の可能性を持つ獣

三本目が出来ちまったので投下…書き溜め?…知らない子ですね。

「――さて、レディ…早速本題に行こうか…ズバリ、君がコレから行く世界…君がコレから使う〝器〟の作成と説明へ!」


声高に時計男…〝ウォッチャー〟はそう言い、指をパチンッと鳴らす…すると、其処には蒼く青く広がる…地球に似た星系が姿を現し…その図面を平面的に広げる。


「君が行くのはこの世界…〝ラクシア〟と名を打たれただけの普通の世界…とは言え、この世界には魔法と魔力、神秘と魔物が渦巻く、地球とは雲泥の差が有るほど地獄と天国の渦巻く〝混沌の坩堝〟さ」


彼はそう言うと、その地図を広げ…其処に一つの〝エリア〟と、4つの円を作り…其々の説明を始める…。


「まぁ、最初はこの〝エリア〟…〝暖護(だんご)の草原地帯〟しか行けないけどね」

「ダンゴ…団子…良い響きね」

「……(パチンッ)」

「あら、有り難う…美味しいわ」

「――コホンッ…さて、このエリアでは〝四種のスタートポイント〟が有り、其々の土地には幾らかの特性が有る」


そうして映し出されたのは、四つの〝地域〟…其々、〝爽やかな森林〟と…〝焼け焦げた荒野〟と、〝泥と霧の湿地〟と、〝暗くて広い洞窟〟…。


「――〝風〟、〝火〟、〝水〟、〝土〟の四属性に適した土地…ってことかしら?」


私がそう呟くと、彼は楽しげに手を叩きながら私を賞賛する。


「お見事その通り!――一目見て気付くとは中々の観察眼だレディ」

「褒めてもお団子は譲らないわよ?」

「…別に団子欲しさに褒めた訳では無いけど…まぁ、Mrs.マオの言う通り、この地域は其々の〝属性〟に親和性の有る地域だ…当然、其処に適した敵や生き物が住んでいるし…〝環境〟が〝器の成長〟に関わる事も有る…最初の場所選びは重要だ」

「成る程…覚えておくわ」


私がそう言うと、彼は軽く頷き…それから、一つ声を高くして、大きな身振り手振りと共に次の説明に映る。


「宜しい…そして、此処からは〝器〟の説明だ…君が使う〝器〟…即ち〝魔物の身体〟について、君にお教えしよう!」


――パチンッ!――


そう言うと彼は再び指を鳴らして、このテーブルの上に、その〝器〟を呼び付ける。


「君達の器、ソレは〝万物に成り得る〝全の獣〟…全ての〝生物の原型〟とも言える存在…汎ゆる生命の源、否!――〝この世界の始り〟とも言い得てしまえる〝可能性の一〟――まさしくまさしく、究極の〝魔物〟と行って差し支えない超有名(グレート・パプリック)生物(・モンスター)!」


仰々しくそう言い、〝ソレ〟を褒め殺す彼の言葉を聞きながら…私はその存在を確かに〝認識〟した。


ソレは丸っこくて、弾力を持ち…艶のある身体と、その透き通るような身体の奥に浮かぶ〝心臓〟の様なもので構成された〝(魔物)〟――。


「「〝スライム〟だ!(ね)」」


そう…スライムだった。


――――――

【無名】

【スライム】LV1/10


HP:100

MP:100

満腹:100%


筋力:G−

速力:G−

知力:G−

物耐:G

魔耐:G−

知力:G−

信仰:G−

器用:G−

幸運:G−


【能力】

〈未選択〉、〈未選択〉、〈未選択〉


【称号】

〈最弱の魔物〉


――――――


そして、そのステータスはものの見事に虚しい物だった。


「何て……悲しい生き物…」

「失礼な!――この子は凄い子だよッ、姿形も自由自在、繁殖力、環境適応能力に優れ何処にでも住み着き、人類の愛玩魔物として一定の評価もあり、更に更に有事の際の非常食にも成れ、女子供でも簡単に倒せてしまえるのだ、どうだ参ったか!」

「後半の怒涛のネガキャンは要らないわよね!?」


彼の余りにもな紹介に、私が思わずそう突っ込むと、彼はクツクツと笑いながら片手にその子を乗せて言う。


「フフフフフッ…しかしこの子は確かに〝可能性の獣〟…〝何にでも成れる器〟なのですよ…だからこそ、貴方方…〝彼方からの獣(プレイヤー)〟達、その最初の器になり得るのです」


彼がそう言うと…手の内にあるソレが、私の目の前にやって来る。


「……」


確かに…そういう意味ではこの子は優れている…それに、此処でゴネても仕方無いだろう。


「――ステータスを見る限り、三つの【能力】を選択可能みたいだけど…説明して貰えるかしら?」

「勿論!――【能力】とは読んで字のごとく、その個体毎に有する〝特別な力〟…剣による攻撃や戦技を扱える〈剣術〉、火を自在に操れる〈火魔術〉!――周囲の気配を探れる〈気配察知〉に、その探知を逃れる〈気配隠蔽〉…其れ等〝任意能力(アクティブスキル)〟の他にも、通常自のステータスを強化し、常に発動し続ける〝常時能力(パッシブスキル)〟等、1000を超える能力、上位能力が盛り沢山…どうです、考えるだけで楽しみでしょう?」

「えぇ…楽しみね…その1000以上有る能力の中から、使えそうな能力を探す苦行を考えると」


私がそう言うと、その言葉を既に何百と聞き及んでいたのか、ウォッチャーは指を鳴らし、私の言葉に返答する。


「御安心を、【能力】は1000を超える数有れど、序盤は其れ等の1割、いや100分の1も扱えません…下手をすれば詰んでしまうので、最初は10有る【能力】から、有用な物をお選び下さい♪」


そう言うと、ステータスの映像が切り替わり、三つの〈能力未定〉と10の【能力】が映し出される。


――――――

・〈再生〉(任意)・・・MPを消費してHPを回復する。


・〈光合成〉(任意)・・・動けない代わりにMPを回復する。


・〈触手〉(任意)・・・触手を生成し操作出来る。


・〈突進〉(任意)・・・体当たりによって相手を攻撃、相手によっては反動でダメージを受ける。


・〈跳躍〉(任意)・・・飛び跳ねて移動、高度が高過ぎると落下ダメージを受ける。


・〈擬態〉(任意)・・・自身を周囲の景色と同化させる。


・〈雑食〉(常時)・・・食べられる物が増える、満腹度回復量増加。



・〈生存強化〉(常時)・・・筋力、速力、器用のステータスに微量の補正。


・〈精神強化〉(常時)・・・知力、信仰、幸運のステータスに微量の補正。


・〈耐性強化〉(常時)・・・物耐、魔耐のステータスに微量の補正。


――――――


「この中から選ぶのね…中々悩むわ」

「ごゆるりと選ぶと良い、時間はたっぷり有るからね」

「因みに試運転は出来るの?」

「出来るよ、一応ゲーム開始前にチュートリアル有るけど、先に済ませるかい?」

「お願いするわ」


ソレと睨み合いながら、私はウォッチャーと共に自身の器を作成する…そして。




紆余曲折ありながらも、自分の〝器〟を作る事が出来たのだった…コレが完成したステータスである。


――――――

【マオ・ディザイア】

【スライム】LV1/10


HP:100

MP:100

満腹:100%


筋力:G−

速力:G−

知力:G−

物耐:G

魔耐:G−

知力:G−

信仰:G−

器用:G−

幸運:G−


【能力】

〈再生〉LV1、〈触手〉LV1、〈生存強化〉LV1


【称号】

〈最弱の魔物〉


――――――

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