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群れの魔物

どうも作者の泥陀羅没地で御座います、本日の投稿を、次回は今日の18時〜20時に!

――ポヨンッ、ポヨンッ、ポヨンッ――


「〜〜♪」


御機嫌に鼻歌を歌いながら、私は少女を連れて森の中を進む。


「――よ〜し、後は私達の拠点に丁度いい場所が見つかれば文句無しね!」


私がそう言いながら、森の中を進んでいるとふと、少女…レイナが私に声を掛ける。


「此処から先には、〝小鬼〟達の済む洞窟が幾つか有るらしいです」

「そうなの?」


レイナの言葉に私が振り向くと…レイナは何処から取り出したのか、古ぼけた地図を見ながら私に告げる。


「スライムさんが倒した人達の手荷物から回収しました」


そう言いながらレイナは地図をジッと見詰め…森の更に奥を指差して言う。


「それにしたって〝小鬼(ゴブリン)〟ねぇ…定番の魔物だけど、見たこと無いわね」

「スライムさんは、小鬼を知っていますか?」

「ミッ(知らないわ)」


歩きながら私達は雑談(会話不可)を交わしながら、地図に有る〝洞窟〟へと向かう。


「〝ゴブリン〟は、この森の奥地に住み着く魔物です…一匹一匹は力も弱く、頭も悪いんですけど…繁殖力に優れて数が多いので、根絶は難しい魔物です」

「イメージ通りの生態ね」


そうこうと言いながら、進んで行くと…その道中、私はピクリと…空気の変化に反応し、足を止める。


「?…どうしたんですか?」

「――此処が〝境界〟ね」


空気が変わった…木漏れ日の差す風景は変わらない…けれど、その場所が内包する〝性質〟と言えばいいのか…この場所から先は、特に危うく、刺々しい雰囲気を感じる。


「――ミッ」


私は彼女の注意を引いて、地面に絵を描き…今後の動きを伝える。


「――〝スライムさん〟から離れない…ですか?」

「ミッ(そう)」


私は彼女にそう言うと、彼女も私の変化に充てられてか…顔を強張らせる。


「分かり…ました」


そして…私達はより密接に固まりながらこの〝境界〟を越え…森の奥深くへと進むのだった…。



●○●○●○


――ザッ…ザッ…ザッ…――


私達は、ゆっくりと歩を進ませながら…先程以上に周囲に目を凝らし進んでゆく。


「…何だか…〝暗い〟ですね…」

「ミ…」


日はまだ高く、空は蒼天だと言うのに…この場所の空気は何故だか重く、そのチグハグさが不気味で…私は息を呑む。


気付けば、周囲からは物音が消え…ただ、私達の土を踏む音だけが響いていた…そんな時。


――ジッ――


私達の背後から、視線を感じたその時。


「ミッ」


スライムさんが私を掴みながらその場から飛び退く…それと同時に。


――ブンッ!――


何かが空を切る音がして…私は背後を振り向く…其処には。


「ギ……ゲァァ?」


緑色の肌、小さな角の生えた醜悪な顔…人の半分も無い体躯をした、棍棒と腰蓑を纏った化物が…私達の居たその場所に立っていた。


○●○●○●


「――ゴブリン!」

「えぇ、イメージ通りの姿ね」


上からの奇襲を躱して、私はその小さな異形の姿を視界に捉える。


――――――

【ゴブリン】LV9/10

HP:550/550

MP:230/230

満腹:36%


筋力:G

速力:G+

物耐:G

魔耐:G−

知力:G−

信仰:G−

器用:G−

幸運:G−


【能力】

〈棍棒〉LV3、〈雑食〉LV3、〈跳躍〉LV3


【称号】

無し


――――――


「ステータスは貧弱も貧弱」


避けられた事を理解していないかの様に立ち呆ける小鬼の身体を私の触手が貫き――。


――ビュンッ――

――ゴシャッ――


小鬼の身体は立ち並ぶ樹木に衝突し…血を撒き散らして即死する。


「――案外、弱いわね…と、言いたい所だけど――」


私はそう言いながら、此方を突き刺す無数の視線に目を向け…ソレ等の姿を捉える。


「――数の多さが、この種の強み…なのよね?」


其処には草陰から一匹、また一匹と姿を現す小鬼達がおり…ソレ等は今し方殺された仲間には目もくれず私達…いや、レイナに下卑た視線を注ぐ。


「ッ……!」


その視線が意味する所は…まぁつまり、〝そう言う事〟よね。

「生憎、お茶の間にR18(そんなの)を垂れ流す訳には行かないの」


――ビュンッ――


私はそう言うと、改めて目の前の小鬼共に触手を伸ばし…レイナを守る様に立ち回る。


しなる触手が、ゴブリンの身体を吹き飛ばす。


「ギャバッ!?」

「ギヒャァ!」


吹き飛ばされ、地面に転がるゴブリンを踏みつけて続々と他のゴブリン達が私達に肉薄する。


「1、2、3…6匹ね」

(貫通で弱点を狙えば一撃圏内だけれど、この体躯で動かれると厄介…仕方無い)


――ブンッ――

――ブンッ――


2本、3本と触手を生やし…ソレを迫り来るゴブリンに応じて随時振るう…単純な一撃で威力も其処までのものだけど、ゴブリンの身体能力では避ける事も出来無い。


「時間は掛かるけど、コレで処理しましょうか…全く…この程度のレベルで手間が掛かる――」


吹き飛ばされて行くゴブリン達に、溜息と共にそんな感想を抱いたその時…私は、その瞬間〝何か〟に気付く。


(――待って、〝この程度のレベル〟で襲って来た?…〝私達〟を?)


それは…確かな違和感…ゴブリン達の格は精々が10を下回る程度…だと言うのに、ゴブリン達は私を襲って来た…。


「〝称号〟の効果が利いていない?」


私は、自身が保有している【称号】の効果を今一度思い出す。


『〈野蛮な獣〉――〝自身よりレベルの低い魔物〟に襲われなくなる』


〝自身よりレベルの低い魔物〟に、襲われなくなる…。


「ゴブリンに…この程度のレベルの相手に襲われる筈が無い…」

(可笑しい…明らかに【称号】の効果が機能していない)


私がそう考えに至ったその時…ゴブリンの数匹が何度目かの触手の一撃に吹き飛ばされ…倒れた…ゴブリン達の足の動きが遂に鈍くなり…自体が膠着した…その時。


――ガサッ、ガサッ――


「〝ゲラァ〟…〝グギギャァ〟…!」


そんな声と共に…私達の前…ゴブリン達の背後から、明らかに〝異様〟なゴブリンが一匹、そんな鳴き声を発しながら姿を現した…。

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