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森の中の出会い

どーも作者の泥陀羅没地で御座います、0時を回っていないので2本目と言い張りたい。


そろそろ〝フィールドボス〟的なサムシングの存在を出したい…けどまだ上手い引っ掛かりが見つからんとです…!


人は良く〝運命〟と言う言葉を口にする。


《レベルが上がりました!》

《レベルが上がりました!》


〝宿命〟、〝定め〟…この世界は汎ゆる因果によって形成され、人と人との出会いも何者かによって決められているのだ…と。


「――いやぁ…〝居るには居る〟と思っていたけれども」


私は普段そんな〝運命(モノ)〟に、関心を抱いたことはない…とどのつまり、己に利益が有ればそれで良い人間だった為に、その手の〝理想の言い換え〟は、ほとほと興味を持たなかった…しかし。


「まさか、こんな所で…〝こんな状況〟で出会う事になるとは思ってもみなかったなぁ…本当――」


〝こう言った状況〟を…人は〝運命〟と呼ぶのだろう……私は…暖かい陽射しの中、赤い血の海の中で目の前の〝ソレ〟に視線を送りながら…〝見慣れた姿〟のソレに触手を伸ばす。


「実に、〝運命的〟な出会いじゃない…ねぇ…其処の君」


その先には…薄汚れた襤褸切れを身に纏い…真っ黒な髪を血で染め上げた…血の海に座り込む…〝赤い瞳〟の少女が…〝人間の女の子〟が其処に居た。


「ヒッ…た、食べないで…!」

「さて、この子…〝どうしよう〟か?」


先ずは、何故こうなったのか…巡を追って説明しましょうか。




〜〜〜〜〜〜




――ポヨンッ、ポヨンッ、ポヨンッ――


「――さて、〝夜〟の魔物を討伐出来たのは良いけれど…〝進化〟の影響は、良い事ばかりじゃないわね」


翌日、休日なのを良い事に早朝からログインした私は…陽の光を浴びながら、そう言い…自らの巣を見下ろす…進化の影響…ソレは、不本意ながら…実に不本意であり、もっと良い表現はあるかも知れないけれど、敢えて分かりやすく言うならば…とどのつまり――。


「〝太った〟…かしら…ね」


そう、成長に伴い…私は新生活二日目にして、〝拠点に入り切らない〟と言う問題を抱えてしまったのである。


「流石に進化前の3倍の大きさに成ると…この巣穴も狭くなるわね…うん」


進化前のスライム状態で、角兎と同等か、ソレ以下のサイズだった…その3倍の体積ともなれば、当然…兎の巣穴程度では入り切る筈もないだろう。


「――仕方無い、どうせ昼間は他の魔物も襲って来ないし…能力の鍛錬がてら〝住処〟に使えそうな場所を探しましょう」


流石に、リスポーンする度に土の中にギュウギュウ詰めは不味い…コンクリートで詰められた某〇人の真似事は御免である。


「ま、幸い敵は少ないし好きに動きましょ♪」


生きるのに必死でこの辺りの地形とか全然見てなかったし…丁度いい機会…よね?



●○●○●○


暖かな陽射し、空は澄み渡り…小鳥達は囀る…。


――ドタドタドタッ!――


そんな美しい自然とは、相反する様に…森に隣接したその〝村〟は…穢れた悪意で満ちていた。


「さっさと起きろ、この〝化物〟!」

「ひうッ!?」


あばら家の扉を蹴破って…村を守る自警団の数人が、家の中を踏み荒らす…その騒音と怒号が、一人眠る少女の眠りを妨げる。


「な、何…レイナ、何もしてな――」


恐怖に駆られて飛び起きた少女を、自警団の男が腕を掴んで引っ張っていく。


「黙れ〝魔女〟…!……今日は貴様の追放の日だ、忘れたのか!」


その顔には、少女への敵意と嫌悪が満ちに満ち…その視線と無遠慮な腕力に、少女の顔が恐怖で歪む。


「ッ――そんな、まだパパとママのお墓が…!」

「〝齢が十を過ぎれば出て行く〟…ソレが貴様の親との取り決めだっただろう、さぁ…さっさと出て行ってもらうぞ!」

「貴様の親が死んで直ぐに追放してやってもよかったんだ、長老の計らいで今までこの村で生活出来ていたんだぞ?――俺達に感謝しろ!」


少女の抗議に、大人共は耳を貸さず…少女を村の外に引っ張って行く…。


「漸くあの魔女が消えるのね…」

「あの赤い目、気味が悪いわ…!」

「長老も何でもっと早く追放しなかったのかしら…」


道行く村人共が、口々にそう言い…少女に悪意を孕んだ視線で見やる…その視線に少女はただ静かに、恐怖に耐え…震えるしか無かった…。


少女が何故、斯様な業を背負わねば成らないのか?…少女は罪を犯したか?…否、少女に否などありはしない。


「――呪われし魔女、レイナ」

「ッ…」

「我が村の掟により、汝をこの村より追放する…二度と、我が村に足を踏み入れてはならん…〝魔女〟は、我が村に凶兆を齎す故な」

「私は、魔女じゃない…!」

「いいや、お前は〝魔女〟だ…その赤い〝瞳〟…不吉を齎す黒い髪…この村の何処に、お前と同じ姿をした人が居る、貴様の父も母も皆、お前とは違う姿をしていよう…!」


少女はただ…姿が人と異なる…ただそれだけの理由で、人から拒絶されるのだ。


「ッ…!」

「去るが良い、魔女よ…汝が業は、人の世に在ってはならんのだ」


村の長老はそう言うと、自警団の男達に視線を送ると…彼等は少女に槍を向け…村の外に向かう。


「…ぅ…ぅぅっ…!」


ただ少女の嗚咽だけが…静かに響いていた。




○●○●○●


――ズドォッ――


「あら…案外使い勝手が良いわね、この〈戦技〉」


私はそう言い、鈍い音を立て大地を穿つ私の触手を見ながら、呑気にそう言葉を漏らす。


――――――

〈戦技:貫通〉

魔力消費:10


効果1:触手に〝貫通〟の属性を付与する。

――――――


「〈戦技:打撃〉と合わせて、〈触手〉の機能拡張ね…こうなると後は〈戦技:斬撃〉が有れば基本の〝物理攻撃手段〟は手に入るわね…後、欲しいのはやっぱり――」


『〝影を移動する能力〟』


「――〝固有能力〟かしら♪」


種族の性質として、通常の物理法則を凌駕した〝能力〟を手に入れられると分かった以上…【再誕進化】の重要性も身に染みて理解した…。


「現状は、其処まで差し迫った問題も無いし…一度【再誕】するのも悪く無いわね」


まぁ、その為にも〝夜〟を待たないといけないんだけど…。


そんな風に、考え事をしながら木の間を飛び回り…森を駆け巡っていたその時。


「ん?……アレは」


ふと、私は目の前に現れた〝影〟に気が付き…進路を変えて其処に向かう。


「ッ―――!」


其処には〝驚くべき存在〟が居た…。


「……〝人間〟…!」


そう……この世界に根を張り生きる…紛う事無き〝人間〟の姿である。

しれっと能力に〝レア度〟の概念を追加したのは此処だけの秘密(全話修整済み)

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