其は、全ての始まりにて
どうも皆様こんにちは、泥陀羅没地に御座います。
始めましての方は始めまして、既知の方は御機嫌よう…紆余曲折有りましての新作に御座います。
上記については活動報告に記載していますが、物語には大きく変わりは無いので気にしなくても良いかも知れません。
ではでは、新作をどうぞお楽しみ下さい!
『――〝創世に混沌在り〟』
薄暗く…人の気1つ無い場所で、〝無数の声〟が言の葉を紡ぎ…その場に集っていた。
『〝混沌より全ては生まれ、世界は続く〟』
その者共は皆、口を揃え同じ祝詞を紡ぎながら…暗く、暗い〝洞窟〟…その奥底に在る〝ソレ〟から、一つずつ…〝腸〟を引き摺り出してゆく…いや、ソレは〝腸〟では無く――。
『――されど、世界は停滞した』
――ドロォッ――
宇宙色に輝き、脈動する〝不定形の泥〟の様な物だった。
『――停まる世界に先は無く、行き着くは腐敗と忘却である』
其処に集うは13の儀式者達…彼等は口々にそう言うと、その手に〝宇宙色の泥〟を持って、洞窟を去る。
『我等は…ソレを〝善し〟としない』
『世界を再び奔らせよう』
『世界を再び巡らせよう』
『〝混沌と創造〟――その〝永劫〟こそ、我が主の望みで在るのだから…』
――ザッ…ザッ…ザッ……――
その中で唯一…世界から隔たれたこの洞窟に眠る■■を一瞥する、〝最後の一人〟は…脈打つ〝混沌の卵〟を片手に…黒衣の外套から覗く〝笑み〟を■■に捧げながら、独り言の様にソレへ紡ぐ。
「――〝世界を廻そう〟…〝彼方の獣〟は…この地に根を下ろす〝プレイヤー〟は…一体どんな〝混沌〟を呼び起こすかな♪」
その言葉は…誰の耳にも、届く事は無かった……。
○●○●○●
私…獅子神真央と言う女は…有り体に言えば〝堕落者〟である。
御年18才にして、対人関係には致命的な欠陥を患い、社会と言う社会と相容れない…陰陽の区分にさえ属することのできない孤独者であった。
「――うぅん…中々〝良い物〟が見つからないなぁ」
とは言え私はそんな己の〝非社交性〟には関心がなく是正する気もない女なのである。
「…中々見つからない無いなぁ…〝面白いゲーム〟…」
しかし、そんな私にも流石に危機感の一つは覚える訳で…趣味が食っちゃ寝だけと言うのは本格的に宜しくないと思い立ち、せめて趣味の一つでも…と、珍しくやる気を出して手を付けたのが〝ゲーム〟であった。
「……うん、無理☆――そもそもどんなゲームがしたいかも不確か何じゃ探せる訳無いわ」
とは言え現行…その〝ゲーム〟を始める事すら難航している現実に頭を抱えているのだけど。
「――こうなったら仕方無い…当たるか分からない賭けだけど、レビュー評価の一番良いゲームを!」
開き直り、電子機器のコンソールを操作しながら私はレビューサイトのゲームランキングに目を通す…そして。
「――〝Evolve&Monster〟…〝ケイオス・ドリーム社〟の超新作…」
一つのソフトに目を付ける。
〝ケイオス・ドリーム社〟
その名は以前、妹から耳にした覚えが有る…確か現在…日本のみならず海外にまでその名を轟かせるゲーム制作の大手企業…。
昨今急速に発展するゲーム業界の最前線を奔り続ける企業の一つ…だっけ。
「――何々…〝弱肉強食の幻想世界に御招待〟、〝最強の魔物〟を目指して頑張ろう…?」
成る程…舞台設定は良くあるファンタジー物ね、でもプレイヤーは〝人間〟では無く〝魔物〟のアバターを使って異世界で生きていく…と。
「〝レベルシステム〟と、〝能力〟…ソレに〝進化〟…ちょっと癖は有りそうだけど王道的な〝ステータスシステム〟がベースね、多少分かりやすい方がかえって初心者には遊びやすいかしら」
……うん、コレをやらない理由は無いわね
――カチッ――
――ピロリンッ♪――
『御購入、有難う御座います!』
「良し…配達は3日後…なら、其れまで適当に準備しておこうかしら…確か、お下がりのVR機器が倉庫に有った筈…システムの初期化と登録は…そう言えばやったっきりで使ってなかったわね…お下がりとは言え、一世代前の機器だし…まぁ問題無いわよね?」
新たな趣味の種を見つけた私は、僅かな充実感と共に椅子から立ち上がり、3日後の為に準備を始める…。
だが…私は気付かなかった…。
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【弱肉】ケイオス・ドリーム社新作総評スレその1【強食】
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5:無名の雑魚
【悲報】ケイオス・ドリーム社、また糞鬼畜ゲーを開発した模様。
6:無名の雑魚
あの…最初の森から出られないんですが。
7:無名の雑魚
イヤァァァッ、兎に食われて死ぬゥゥゥ!?
8:無名の雑魚
何でファンタジー物でホラゲーやらされてるんですかね?
9:無名の雑魚
ケイオス・ドリーム社が普通の神ゲーを作った事が有るとでも?
10:無名の雑魚
9>>其処は作れよ企業として――あっ、止めて下さい死んでしまいまs
11:無名の雑魚
10>>死んだな
〜〜〜〜〜〜
私が始めようとしていたこの世界が…とてつもなく〝過酷〟な世界である事を――そして。
「今日の御飯は何かな〜♪」
そんな過酷な世界が…私の運命を大きく変える事になるなんて。




