第9話 二人は何、友達…?
夫婦間の問題もそのままで、自由を手にしたような彼女の、日常が何を考えているのか分からなかった。
私 「有り得ないんだけど!なんで、あんな誰にでも声かけるような人にLINE教えたの?」
山田 「森さんが連絡し合いたいと言うし、ご飯だけでも一緒にしようって言うから」
私 「ご飯だけで、済む話なのかね、、」
山田 「……私ね、1度目の結婚も不倫されて上手くいかなかったし、今回の2度目も、別に好きな人と結婚したわけでなく、最初の旦那に離婚言われて、幼い息子と二人で暮らせるお金もないし、経済的に誰か必要だったから、、、結婚をしたようなものなの。家も買ってくれると言うから……」
私 「生活の為に……」何て言っていいか分からなくなった。私は元々、恋愛重視のタイプだから、その考え方がすんなり入ることはなかった。
私 「離婚したら、実家に帰れたんじゃないの?」
山田 「……実家は、汚いゴミ屋敷みたいで、帰りたくなかったの。母とも仲悪いから…それに、…綺麗な所で、生活したいし。」
山田さんは、出会った時から何か違ってた。そうだ、子供もいるのに、まるで独身のような、中年でもあるのに、お姫様のような不思議な人だった。だから、そう、生活のために選んだんだなと想像出来た。
私 「それで、森さんとはLINEでやり取りしてるのね」
山田 「そう、、この前は、はじめて夜景の見えるレストランで、フランス料理食べてきたの」
私 「え?本気で言ってるの?もう、食事まで行ったの?」
山田 「そう、お互い美味しいもの食べることが趣味で、これからも、こうやって一緒食べようと約束してきたの」
私 「そう、、、それなら、ご飯友達みたいな感じなのね。」
山田 「……」
私 「森さんは、山田さんが既婚者って知ってるものね」
山田 「……知ってるけど」
けどって、、なに?何かつっかえたような口ぶりだった。
立ち止まることをしないで、自分だけの事だけを優先に生きている人なのかしら、、こんなに、上品な雰囲気なのに……。人は見かけによらずなのね