第8話 別居は自由時間
彼女と出会ってから、普通じゃない情報が会う度に聞かされて、彼女と離れている時も、彼女のことが気になりはじめてきていた。
私 「お疲れ様ー!今日はビルで講習会もあったし、たくさんの人が来たからトイレ汚かったなぁー」
ビルの清掃会社に務める私たちは、もちろんオフィス、廊下、トイレ、給湯室の清掃も任されている。
山田 「本当に今日は汚かったね。自分んちでも、あんなに汚いトイレの使い方するのかしら、、、」
私「いや、きっと、自分んちでは綺麗にするんじゃないのー?」苦笑しながら答えた。
雑談している私たちの後ろから、足音が近づいてきた、振り返ると森さんが立っていた。
森さんとは、私たちの上司でたまに、清掃の視察に来るのだ。
森 「お疲れ様!相田さんと山田さん」
私 「お疲れ様です!」
山田 「……お疲れ様で、、す、」か細い声で、返答をする
森 「どうしたのー?山田さん、寂しそうな顔して俺を見つめて」
山田 「そんな、、寂しくないです……」
は?なんだ、このやり取り。変な違和感も感じたが、森さんを残して、
私は、山田さんを連れて違う部屋の清掃に移動した。
私 「……」静かに掃除する山田さんを見つめていた
私 「山田さんさー、旦那さんとこれからも?別居していくの?」
山田 「そうね、旦那が私の言ってることを理解しないうちは、一緒に暮らせないし、、それに、今楽なの。家事もしなくていいし、洗濯もたまにするだけで済むし。別居が自由時間なの」
私 「自由時間ね、、家事がないのは楽よね。」
自由時間ってなんだろう?息子もいるんだから、家事はあるはずなのにと少し違和感を感じていた。
仕事も終わり、更衣室で制服から私服に着替えている時だった。
山田 「私ね、森さんとLINE交換したの」
私 「え……?」
いったい、何を言ってるの?と、、有り得ない情報に思考が追いつかなかった
彼女は、物事をしっかり考えるタイプじゃなくて、衝動的に動くタイプだと知る。見た目はおしとやかでお姫様なのに、やはり、浮世離れしているのは、思考だったのかもしれない。