第3話 彼女のプライベート
山田 「わたし、バツイチなんです。今は新しい旦那と前の旦那との間に息子がいて、その子と3人暮らしなんです。」
突然の、カミングアウトに驚きも感じたが……きっと、先に伝えたいタイプなんだと思い彼女の話を聞いていた。最近では、離婚も珍しくないし、子持ちで再婚も普通の事だから、何とも思わなかった
私「そうなんだね、息子くんは何歳なの?」
山田 「19歳になるの、だからもう大きいんだ」
私 「山田さん、若そうなのに大きいお子さんがいるんだね」
山田 「そうなの、私には大きな子がいるの。よくね、幼稚園の子供がいるママさんみたいと言われるー」
私 「あ、、そうなんだね。」
おしとやかだけど、そこは肯定するんだなと、少し返答に困ったけど。なぜなら、そこまでの若いママさんには見えなかったからだ
気がつけば、初日だけど壁もなくタメ口での会話に変わっていた。
歳も私より、2つ下だったのでお互い話しやすい感じになっていた。
山田 「なんか、前の旦那から食事に誘われているんだけど、今の旦那より、前の旦那の方が良かったのかなって思ってさ……ご飯を食べに行ったほうがいいかな?」
私 「……え?だって、元の旦那さんと会ったら今の旦那さんは嫌がるとおもうし、山田さんはまた、元旦那さんのところに戻りたいの?」
山田 「戻りたいというか、今ね、元旦那も、今の旦那も、私に頑張ってきてて、どちらが私にもっと良くしてくれるのか、悩んでいるんだよね」
私 「いや、、中途半端に動くことは良くないとおもうよ。本当に一緒に居たい人と過ごすべきだから、しっかり考えて動いたほうがいいよ」と、アドバイスしてみた。
山田「……そうよね、気軽に動いちゃダメよね。今だけ、前の旦那が優しいだけかもしれないし。」
研修初日の仕事終わりはこんな話で幕を閉じた
よく、考えたら、、初仕事の研修中にこんな話をしてくる事すら、おかしかったのに私は頼られているような錯覚を覚えていた