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第21話 【属性】



無属性魔法の操作を練習するようになってから1年の歳月が流れた。


今では魔力を呼吸するようかのように操作が可能になった。

本来ではあり得ない事らしい。

ヴィスは記憶を失う前には日課として練習していた。


記憶では忘れていても、身体が覚えていたという事だろう。

さらに熟練の指導者が側にいるのだから現在の結果は当然の事だろう。


「ヴィスよ。そろそろ属性魔法を練習してみようかの」


ヴィスは待ってたましたと言わんばかりに目を輝かせて返答した。


「ただし、扱える属性が確実に有るわけでは無い。じゃがヴィスの魔力ならば無属性のままでもかなり良い線いくとおもうぞ」


ヴィスは胸の高鳴りで心臓が破裂するのではと心配になるほど興奮していた。


「大丈夫だよ師匠!  仮に無属性でも魔法は大好きだから! 」


「そうかい。なら良いんじゃが。それで、属性を調べるには教会に行く必要があるんじゃ」


「じゃあ早速行こう」


「教会と言っても王都まで行く必要があるんじゃ。女神の像が祀られた大聖堂のみが属性を調べられるんじゃ。そして王都までは片道でも七日程かかるんじゃ」


「王都!?  僕、生まれて初めて......だと思う」


「そうかそうか。大きな街じゃから、もしかしたらヴィスを知っとる人物に会えるかもしれんしの。それでついでじゃから王都までの道中は魔物を退治しながら行く事にするぞ」


「魔物!? ついに修行の成果が見られるんだね!! 」


ヴィスは遠足前日の子供と同様に眠れない夜を過ごした。王都へ向かう事を聞いてから三日後の早朝。

ガングリッドとヴィスは王都を目指して家を出た。


「ヴィスよ。 この辺りの魔物は対して強くも無い。魔法を使ってはならぬ。これを使って討伐するんじゃ」


ガングリッドは刃渡20センチ位の短剣をヴィスに渡した。

まだ子供の身体にはしっくり馴染む。


「師匠ありがとう」


「構わんよ。そら、警戒を解くんじゃ無いぞ。常に臨戦体制を取れるように意識を周りへ向けるんじゃ」


ガングリッドに渡されたナイフを逆手に持ち、警戒しながら森の中へと入って行ったのだった。

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