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「異世界レシピ」スキルで新人ギルドを全力サポートして、成り上がります!  作者: 沢野 りお
ギルド

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大工ギルドがやってきた

ギルドハウスの前に寝ぼけ眼で整列するぼくたち、白い輪ギルドの面々は、まだ朝も明けやらぬうちに叩き起こされました。

流石のオスカーさんも目がショボショボだし、ビアンカさんは体の大きなディーターさんに思いっきり寄っかかり立ったまま寝ています。

そんな立ち枕状態のディーターさんの髪の毛も寝癖であちこちハネてます。


「やあ! 坊っちゃん、立派になりやしたね!」


感激した表情で、オスカーさんの腕をバシバシ叩くのは、侯爵家が派遣してくれた大工ギルドのメンバーだ。

どうやら昔からの知り合いの大工ギルドみたいで、オスカーさんのことを我が子を見るように思いを込めて、目に涙を溜めている人がチラホラと。


「わざわざ、来てもらってすまないな。でも有名な大工ギルドに来てもらうのは申し訳ない。私はもう侯爵家からは離れた身なのに」


「そんなつれないことは言わんでもいいですよ。坊ちゃんが住むお屋敷のリフォームなら、この侯爵家お抱えの大工ギルド「ドワーフの金槌」にお任せくだせい!」


「「ええーっ!」」


朝早くてボーっとしていたビアンカさんとディーターさんがいきなり大きな声で叫んだ。

ぼくとレオは咄嗟に自分の耳を手で塞いだけど、レオに耳ってあるの?


「ドワーフの金槌ギルドといえば、王宮の工事にも呼ばれる上級大工ギルド……」


「しかも気に入った人からの依頼、作ってみたい物以外の依頼は受けない、気難しいギルド……」


えっ? そんなに有名なギルドの人だったんですか?

ぼくはオスカーさんと話すドワーフの金槌ギルドのギルドマスターらしき人をまじまじと凝視する。

ギルド名どおり、ドワーフらしく背はビアンカさんと変わらないぐらいだけど、腕とか首とかとにかく体が分厚い!

体中のいたるところの筋肉という筋肉が鍛えられていて盛り上がっている。

髪の毛は真っ黒で太く縮れていて背中を覆うほど長く伸ばしている。

髭もボーボーです。

他のギルドのメンバーを見回せば、ドワーフが多いけどちらほらと人族っぽい人もいる。


「おーい、クルト。とりあえず朝食にしよう」


「はーい」


ぼくはオスカーさんに呼ばれて慌ててキッチンへと戻る。

みんなの朝ご飯を作らなきゃ!


ん? もしかして、あの大人数のギルドの人たちの分も作らなきゃダメなのかな?

わーっ、大変だぁーっ!








ぼくたちのギルドハウスをリフォームしてくれる大工ギルドの皆さんは、朝ご飯持ち込みでした。

ホッとしましたよ。

だって、用意もなく二十人超えの朝食を短時間で作れるほど、ぼくの『器用貧乏』スキルも『異世界レシピ』スキルも万能ではないから。


ちなみに、ギルドの皆さんは侯爵家が用意してくれた宿屋を貸し切りにして、そこから毎日通ってくるそうです。

ご飯は庭で炊き出しをしたり屋台で買ってきたり、宿の主人にお弁当を作ってもらうので、ぼくが用意する必要はないんだけど、お茶菓子ぐらいは提供します。

オスカーさんにも頼まれたし。


今日はまず、ギルドハウスを一通り見て、ぼくたちが考えたリフォーム案と照らし合わせる作業。

資材とかは、ここに来るまでにある程度は揃えてきてあるらしい。

大工ギルドだけど、お庭もきちんと整備してくれるとか。

表庭に作る予定の花壇のお花はぼくが選んでいいそうです。


「しかし、坊ちゃんたち、よく考えましたねぇ。この案でだいたい作れそうですわ」


ガッハハハと豪快に笑うギルドマスターのゲレオンさん。


「まずは、ギルド部分から工事に入ってもらっていいか? もう明日から受付の子が通ってくるんだ」


「へい。じゃあ、今日はあの大階段を外して吹き抜けを塞ぎましょう。明日からギルド部分の一階、二階をやりましょう」


ゲレオンさんは太い指でトントンとビアンカさんが描いた間取り図の階段を示す。

その指をついつーいと動かしてこれからの工事スケジュールを説明していく。


「その次は坊ちゃんたちが使う二階。キッチンの一階も手直しする所をチョチョイと。次に三階とトイレや風呂ですな。最後に地下でご注文の魔法障壁も施しやす」


ぼくたちはふんふんと聞いていた。

これだけの屋敷だから工事期間はそれなりにかかるだろう。

二階の工事中はどうするのかな? 三階で寝泊まりするなら、ぼくがお掃除しますけど。


「庭も直してくれるんだろう?」


「へい。庭は別の者が屋敷のリフォーム工事と同時に行いやす。ああ、坊主が欲しがっていた畑も耕してやるし、家畜小屋も建ててやるぞい」


「わー、本当ですか?」


「おう。侯爵様から立派な馬も馬車も牛も鶏も預かってきたからな」


ガッハハハ。


「……まて、待ってくれ、ゲレオン。もしかして、それは……」


「坊ちゃんが可愛がっていた馬と馬車を牽く馬。牛は二頭。毎朝うまいミルクを絞ってくだせい。鶏は四羽。新鮮な卵が手に入りやす」


ゲレオンさんの言葉にぼくとレオは万歳をして喜んでいたけど、オスカーさんはちょっぴり背中を丸めてため息。


「そこまで父上に甘えるつもりは……」


「何言ってんです。上の兄さんも張り切ってましたし、下の兄さんは俺らに交じって作業するつもりでしたよ?」


「や、やめてくれ」


オスカーさんの顔は真っ赤です。


「とにかく、ご恩ある侯爵家からの依頼でさぁ。俺らも張り切って工事は十日以内に終わらせやす!」


「「えっ!」」


十日? お屋敷丸ごとリフォームが十日で完了するんですか?


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