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暗躍する侍女(仮)の物語。  作者: はこ
序章・どうしてこういうことになったのか
4/8

その肆・苦手なことは苦手

最近は寒いですね。

投稿頻度をもう少し上げても良かったなと後悔してる今日このごろです。

ついにこの日が来てしまった。いつか来るだろうと思ってはいたが……。まだ心の準備ができていない。

事の発端は「今日はカーテンとかテーブルクロスとか、解れているところを縫い直してちょうだい。」と侍女長の紅葉さんに言われたこと、だ。


「裁縫だって!」


いつもより若菜が楽しそうに見える。目がキラキラして見える。


「私、裁縫が一番得意なんだ!」


なるほど……。


「鈴蘭どうしたの?黙りこくって。もしかして、裁縫苦手?」

「できないことは、ないです。」


…できないことは。


「…目が泳いでるよ、鈴蘭。それにしても鈴蘭も苦手なことあるんだね。大丈夫!なんとかなるよ。」


そして数分後、若菜はこの言葉を後悔することになる。


「無理です。なんでそんなに上手くできるんですか?」


私のが持っているカーテンは見るも無惨になっている。縫い目はガタガタ。なんならきちんと縫っているはずなのに、縫ったそばなら糸が絡まってしまっている。

若菜の手元を見た。

私の数倍はペースが速いし、数倍は縫い目が綺麗。


「幼い頃からやってるから…かな?経験の差だよ。何度もやれば…れ、練習すれば…う、上手くなる…よ。」


噛んでる噛んでる。


「別に気を使わなくても大丈夫ですよ……。」


分かってたことだし。


「えと、こうやって、こうやってね……こんな感じのイメージで……。」


必死に教えようとしてくれている。

なのにちっとも上手くならない。申し訳ない。


「大丈夫です。ものすごくスローペースでやれば、まぁなんとかまだまし…………な感じになるのでとりあえず地道に頑張ってみます。」


若菜がさくさくと縫っていくところを横で見る。見て覚えるのは得意な方だし、いつかはできるようにならなくてはいけないだろう………頑張ろう。


三時間〜四時間程度経った頃だろうか。まぁ、なんとかさっきよりは随分ましな感じにはなった…と思う。

紅葉さん曰く、「厨房とか使用人の部屋とか、お客様が絶対に入らないところならぎりぎり使えなくないと思うわ……。」というところまで進化できた。最初は「カーテンじゃなくてトイレ掃除の雑巾とか一回限りで捨てる物に使えると思うわ。」という評価だったので及第点だろう……。そんな評価のものをたった一枚しか仕上げられていないので、完璧に十枚も二十枚も仕上げている若菜はやっぱり凄いと思う。



「少しいいですか?」


一段落して小休憩をしていると、ノックが三回聞こえた後に松風さんの声がした。


扉が開く。

そこには思ったとおり松風さんが立っていた。


「鈴蘭。少しお時間を下さい。」


私?

なんの用だろうか……?特に心当たりがないのだが……。

次回の更新は木曜日です。

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