表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/49

45話 記憶の間

 

 記憶の間。


 城の最上階に位置する三つの隠し部屋。そのうちの一つに俺とミルキィの二人は入る。


 部屋の中は暗く、中央には真っ赤な色をした巨大な水晶が置かれていた。



「これに血を捧げます」

 そう言って、ミルキィは指の先を軽くナイフで切り、水晶に血を垂らす。

 俺は自らの指を噛みちぎり、同じように水晶に血を捧げる。


 ・・・・・・。



 水晶が淡い光を放つ。



 そして。



 ドガン!!!



 大きな音とともに、天井が崩れ、部屋に光が差す。



「何が起こって―――」

 ミルキィがそう呟く。



 瓦礫の中に誰かが立っているのが見える。

「お前はまさか………」


 俺はそいつに見覚えがあった。


「ジーク―――」


 ジークは俺を見ると、首をかしげた。


「顔に見覚えがある。どこかで会ったか?」


「忘れたとは言わせないぞ。お前は俺の爺ちゃんを殺したんだ」


「爺ちゃん? あぁ。そうか。お前、あの時のランシズの孫か。なるほどな。王都で俺の計画を邪魔する弓撃手はお前か。ようやく合点がいったよ」



「エール様、気をつけてください。あれは血の記憶なんかではなく―――」


 ミルキィのその一言で俺は理解する。


 そうか。目の前の敵は本物のジークではなく、俺の中の記憶が生み出した産物であると。

 だとしら、俺はなんとしてでもここでこいつを倒さなければならない。


「いつまでも過去を見ていちゃ、爺ちゃんとの約束は守れないからな」




 そうして最終決戦が始まる。








明日で完結します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ