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プロローグ

「はぁっはぁっ!」

森の中、少女は逃げていた。腕を縛られ、体は切り傷、擦り傷、火傷など多くの拷問の痕が残っている。足はもつれ、今にも転びそうである。細い腕からは彼女が十分な食事を長い間とっていないことを見てとれる。

「うっ!」

少女は何かに躓き、バランスを崩して倒れてしまった。躓いた所を見ると暗闇のなかに何か太いゴムのような棒が落ちていた。いや、正確には動いていた。その棒に目をやり、ゆっくりと視線を横にずらす。

「まさか…」

最悪の事態を否定しながらも少女の目は恐怖と絶望が混ざりあった涙で溢れていた。

棒の端に目がいった時、少女は何かと目があった気がした。それは、少女の予想を的中させるものであり、少女はその事実に叫びそうになる口をギュッと力いっぱいに閉じた。その瞬間、少女の目は飛びかかってくる「何か」を捉えた。咄嗟に少女は、体を右に捻り「何か」の攻撃を避ける。攻撃を避けられた「何か」は少女の方向にゆっくりと顔を向ける。それと同時に月の光が「何か」を照らした。

「何か」の正体を確認した少女は本能的に立ち上がって逃げようとする。しかし、恐怖と焦りのあまりパニックを起こしうまく立ち上がれない。少女が逃げられないことが伝わったのか「何か」────興奮状態の毒蛇はまるで、死の宣告を伝えに来た死神のように、少女にあえて時間を与えているかのように、ゆっくりと地面を這ってきた。

やっとの思いで立ち上がった少女は、森を出ようと必死に走る。雑草も美しい花も、動物のフンもすべてを踏みつけて走る。少女には、確認のしようもないことだが、毒蛇は一匹ではなかった。仲間を攻撃されたと思い興奮状態となった毒蛇は少女を、執拗に追いかけてくる。

「っ!!」

少女は走りながら目の先にあるものを見てしまった。目線の先には崖がある。崖の向こうに道が見えたが、見る限りそれへと続く橋はない。なんで。なんでこんなに…!少女を襲う不幸の連続は神のいたずらか、はたまた痛々しい姿をした少女を早く楽にしてやろうとしている神の救いか。

崖に近づくとごうごうと音がしてきた。それは近づくにつれ大きくなり、その事実は少女に僅かの希望を与えた。 川だ。崖の下を流れてる。 川があるならもしかしたら助かるかもしれない。あの毒蛇に噛まれたら死ぬのは確実だ。ならばいっそのこと川に身を投げて僅かの希望に委ねよう。そう決意して、崖についた少女は、一瞬足を止めた。自分には、もうほとんど死ぬ以外の選択がないことに一瞬冷静になり、すぐに受け止めきれない恐怖がのしかかってきた。うしろからガサガサと小さく音が聞こえる。もう選択肢はない。少女は目を瞑って深呼吸をして、死の恐怖を大きく吸った息とともに飲み込み、震える足にグッと力を込めて崖を蹴った。

初投稿です。よろしくお願いします!

この小説は、設定とか頑張って考えているのでぜひ、続けて読んでいただけると幸いです。

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