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なつやすみ

 夏だ~

 どうにもだらけた声が出てしまうが、受験生ということを棚に上げればこのくらいはだらけさせて欲しい。

 休みなのでぐーたらできるぞ! 誰にも文句は言わせない……

「お兄ちゃん、暇そうなのでデートしましょう」

 速攻で物言いがつきました……

 そして……

「海だーーーーーー!!

 お兄ちゃん、海ですよ海! テンション上がりますねえ!」

 海に連れられてきました。

 海と言えば砂浜のイメージの人が多いですけど今いるのはコンクリート打ちっ放しの海岸だ。

 なので特に水着とかそんなんはない、ただ夏の海にテンションが上がっているだけのようだ。

「お兄ちゃん、テンション低いですよ! アレですか! 私が水着でキャッキャウフフ的なのを期待してましたか? 期待してたならしょうがないですね! 帰ったらお風呂で!」

「わーてんしょんあがってきたー。だから水着は必要ないぞ」

 あの狭い空間で水着でふれあうのは理性的にやばいです。

「むぅ……お兄ちゃんは女の子の心が分かってないです……」

 女の子代表になっちゃってるよおい……

「ねぇお兄ちゃん」

 その声は沈んでいて、突然の声変わりに驚いてしまう。

「なんだ?」

「ありがとね、なんだかんだ私に付き合ってくれてさ。その……迷惑じゃないかなって思うんだけど……やっぱり……一緒がいいの……」

 なんだ、やっぱり桜も超人じゃないんだな。

 自分の弱いところを晒せるのは信頼の証だったっけ?

「別に嫌でも迷惑でもないぞ、伊達に校内一のシスコンの名を受けてるわけじゃないんだよ」

 桜の入学一週間でその座についたのは誇張ではない。

「え……迷惑じゃ……ないの?」

「ああ、いつも強引なのにこんな時だけしおらしくなるな」

「ふふ……ハハハ」

 クスクス笑う桜を見て安心する。

「それでいい」

「そうよね! こんな美少女に誘われて嫌なわけないよね! うん! やっぱりお兄ちゃんが好きだな」

「調子に乗らない」

「乗ってないよ、これが私の普通だよ!」

「まあ、安心したよ」

「じゃあ、これからもずっとお兄ちゃんに付き合ってもらうからね!」

 ああ、やっぱこれだな、と夕日を見ながら思った。

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