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顔は口ほどにものを言う

 ついにやってきました……あの日です。

 多くの人? が家族以外からチョコをもらえなかったと嘆くあの日です。

 俺はどうなんだって? そりゃもう妹以外ないわー、くれる人いないわー。

 別にいいんだよ!? もらえなくても、もらったら桜がブチ切れるしさあ。

 桜は確実にくれるから1確だしね。


 俺は期待と不安に胸を膨らませて学校に行く。

 教室に入るとクラス中の目線が一斉に集まった。

 え? なに?

 そこにいたのは桜で、俺の方に歩み寄ってくると、ハートのラッピングがしてあるつつみを差し出した。

「はい、お兄ちゃん! チョコですよ! バッチリ本命です!」

 そうだよなぁ、下級生の美少女がバレンタインに上級生の教室に入ってきたら注目もされるわな。

「お、おう」

 そして俺はなんと返していいか分からず困り果てる。

「え、ええと。ありがとな、桜」

「いえいえ、生涯のパートナーとして当然の義務ですよ……」

 この発言でクラス中が騒ぎ出す、ちょっと前の「お兄ちゃん」発言はすっかり忘れられたようだ。

 どうしよう、好奇の視線がめっちゃ集まってる。

「あー、この子は俺のいも……ぎゃ!? っ!?」

 かかとで思いっきり踏まれた。どうやら計算尽くのようだ。

 さてどうしたものか……

 コイツが俺の妹だと知っている人に説明を……

 視線を向けると俺の後ろを見てサッと目をそらした、ん? 後ろ?

 後ろを見ると桜がニコニコしながらクラスメイトを眺めていた、

 ニコニコしてるのに目が笑ってない気がするんですが……

「じゃあまた放課後にね!」


 いい笑顔で一切説明せずに出て行った。

 俺がクラスのみんなに「アレは妹だから」と説明する羽目になったのは言うまでもない。


―――――放課後―――――


「お兄ちゃん! 待ってたよ!」

「まったく、説明もせずに出て行くからとんだ目に遭ったぞ」

「あら、お兄ちゃんと私はずっと一緒にいるような関係じゃないですか。嘘はついてないでしょう、それとも、一緒にいてくれるって言ったのは嘘なんですか」

 う、涙を浮かべながらの上目遣いは反則だろう。

 かわいいんだけど! この子、超かわいいんだけど!

 妹じゃなかったら速攻で告白して玉砕してるだろうなあ……

 玉砕前提なあたりが俺の限界なんだよな。

「ふっふっふ、お兄ちゃんは今もし私たちが兄妹じゃなかったらって考えてますね」

「うそ! 顔に出てた!?」

「お兄ちゃんの考えくらい分かりますよ、伊達に十年以上妹やってないですからね」

 クラスで「アイツ何考えてるのかわかんない」と評判の俺の嗜好を読まれるとは……

「言っておきますけど、お兄ちゃんってどっちかって言うと分かりやすい方だと思いますよ」

 ええ……

「じゃあ俺が考えてるアレやソレも漏れてんの」

 健全な十代ではあるが妄想が漏れると困るんですけど!

「ソレはわかんないですね……くわしくおねがいします、できるだけ具体的に!」

「言えるか! 危うく妄想ダダ漏れにするとこだったぞ」

「むぅ……寸止めされると気になるじゃないですか……」

「気にしないで! 普通の妄想だから!」

「しょうがないですね、そのうち教えてくださいね!」

「やだっての」

 いつもの馬鹿話をしながら俺のバレンタインは終わるのだった。

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