第五話
謁見の間に入ると魔王の姿が目に入った。じいちゃんから聞いた話の通り、まるで子供のような姿の少女が玉座に座っている。その周りにはめちゃくちゃ強そうな人が50人ほど控えていた。
「よく来たなマコト、そしてユイ!」
幼女さながらの可愛らしい声に幼い仕草。うん、めっちゃ可愛い。
「ご無沙汰です、アドさん」
対照的に、凛々しく綺麗で美しい声に大人っぽい仕草のユイ姫。先ほどの対応といい正直僕はもうすでに惚れかかっています・・。
「あ、あなたが魔王ですか!爺ちゃんの言ってた通りだ。抱っこしたい・・。」
「抱っこ・・?まぁ良い。お前があの勇者ケンイチの孫のマコトか!やっと会えたのー!私は魔王のアドラメルクだ!」
勇者ケンイチ?あれ?僕のお爺ちゃんの名前と同じだ‥
「勇者ケンイチとは・・?」
「ケンイチだよ?あの変態な勇者ケンイチだ!奴からマコトは自分の孫だと聞いておるぞ?」
「おぉー!!そういうことなんですか!ってかなんで変態なんですか?」
「や、奴は私のことを幼女と言い・・ブツブツ・・。」
ん?後半全然聞こえなかった。しかもなんかやばそうなオーラが見えるんだけど・・。
「あ、あのマコトくん女性が苦手なんじゃ‥?」
不意にユイ姫から声をかけられる。俺は思わず本音をこぼしてしまう。
「なぜだか彼女は大丈夫みたいです。幼女だからかもしれないです!」
刹那、謁見の間の空気が凍る。
「わ、私は‥ 」
「皆の者逃げろー!!!!」
魔王のそばに控えている一人のごつい魔族が顔を真っ青にして叫ぶ。何が起きたかわかならない僕は周りをキョロキョロすることしかできない。
「子供じゃないー!!!」
いきなり赤い光線が僕に向かって飛ぶ出す僕が反応した頃には驚きの光景が広がっていた。
僕の頭上には直径1メートルほどの穴が広がっている。あの頑丈そうな壁を貫通していた。その後も僕に向かって放たれる光線に僕は死を感じる!
「ま、魔王様、落ち着いてください!おい!そこのお前!早く詫びないか!」
「す、すいませんでしたぁ!」
人生の中で最も高速かつ美しい土下座を決め込み、また他の部下たちによってようやく沈められた。爺ちゃんの言ってた通り本当にやばい人だった。これほどの強大な力を見せつけられた僕は改めてここが前いた世界とは違い、剣と魔法の異世界だということを感じさせられた。
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