第二話
目を覚ますと見ず知らずの天井だった。確か僕は異世界へと続くトンネルスポットにやってきて・・。あ!変な柄の悪い男の人に異世界へと連れて行ってもらったんだ!ってことは・・?
「おい、誰がガラの悪いおっさんだ。」
後ろを振り返るとそこにはガラの悪いおっさんが強烈な睨みを利かせている。先ほどの異世界に来る前の人間に似た姿と異なり、頭にはツノが生えて、いかにも魔族な容姿だった。今いる世界に少し嫌な予感がする。
「あ、す、すいません!ガラの悪いお兄さん?」
「そこじゃねーよ、確かに400歳くらいだからおっさんなのは間違いないが・・。まあいい、今ここはイビルプラントのソロモン地区だ。それで・・」
「ちょっと待ってください!こういう説明は超絶美女のお姫様がしてくれるんじゃ?まぁせめてメイドとか!なんでガラの悪いおっさんにされなきゃいけないんですか!」
「お前、本気で殺すぞ。」
「はい、すいません。やっぱりめちゃめちゃカッコいいガラの悪いおっさんがいいです!」
「だからそこじゃねーって言ってるんだろ!」
そんなやりとりを数分した後、僕はいまいるこの世界について教えてもらった。まずこのガラの悪いおっさんはアスモデウスという名前らしく現世の人間をこの異世界に導く仕事をしているらしいと誤魔化された。また今いるこの世界はイビルプラントという国らしくいわゆる魔族の国らしい。このイビルプラントには大きく分けて3つの大陸に分かれているらしくマリア、ユイダ、ソロモンの三つで今いるのはソロモン地区、そしてその三つの大陸を支配しているのが魔王。また魔族の国の他に、人間の国、エルフの国、亜人の国の4つの国があるという。今は停戦協定を結んでいるため戦争は起きていないがそろそろ協定の期限が切れるらしい。そんな中、僕は召喚されたのことだ。
「いやいや!!僕は勇者として召喚されるんじゃないんですか!?なんで魔族の国に召喚なんですか!まぁチート能力くれるなら許すけどさ・・」
「チート能力?それが何かはわからんが、お前の能力はこの世界に来た時にすでに決まっているはずだ。ステータスオープンで見れるぞ」
さぁ待ってましたこの時を、きっと魔王よりも強いステータスや超強力な能力があるんだろうな、楽しみだァ!
「ステータスオープン!」
その結果を見て僕は驚愕を抑えきれなかった。
マコト
種族:?
年齢:19歳
Level:1
HP:10
MP:10
攻撃力:10
防御力:10
素早さ:10
固有能力
?
称号
残念な転生者
「いや、ふざっけんなぁ!!!なんだこのモブキャラ以下のステータスは!残念な転生者だよ!まさに!!」
「よ、弱いな。ま、まぁめげずに頑張れ。」
「アスモデウス、僕は君を信じてるよ。君の力を分けてくれるんだよね?」
「ごめん、ちょっと聞こえない。」
「アスモデウスー!! ってか爺ちゃんの言ってる異世界転生と全然違うんだけど!」
「ま、まぁこれから先きっと強くなれるさ、頑張れよ残念な転生者よw」
「おい!今、笑ったろ!」
マコトの異世界転生物語は始めから波乱万丈な予感。不安を抱きながらも誠は大きな期待を抱いでいた。そんなマコトの才能が開花するのはもう少し先の話になる。
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