第一話
「さぁ!今こそ我をそちらの異世界へと召喚したまえ、我が救世主となろう!」
誰もいないトンネルに向かい激しいジェスチャーと共に厨二病感満載のそのセリフを放っている男は佐倉 誠 は一応この物語の主人公だ。ん?妾は誰かと?今はまだ秘密じゃ。まぁしいてゆうなら事情があって彼を監視してる者だと言っておくかの。
「そうか、そちらの世界は平和か!我の力を欲する異世界はここじゃないということか!」
あーあ、また変なこと言ってるよ彼は。そのセリフ何度目か、どの世界も彼みたいなぱっと見the雑魚キャラは必要ないにきまっておるのに笑笑
まぁ少し彼の心を覗いてみようかの。
「はぁ…僕のことを本当に必要としてる異世界はあるのだろうか」
僕は昔に爺ちゃんに聞いた話を思い出す。
(いいか、誠よ。今いる世界の他に別の世界があるのは本当じゃよ。しかし、簡単には行けない、その世界がお前を必要とする時、お前は異世界へと召喚されるだろう。もちろん勇者として、最強のチートを持ってだ!そしてお前はハーレム王になれる!)
こんな話みんなは嘘だと言うかもしれないが俺は信じたい、昔から友達がほとんどいなくて彼女もいたことなく、もちろん美少女の幼馴染もいなくてぼっちだった僕は爺ちゃんが話してくれる異世界転生物語を聞くのがずっと大好きだった。その話は俺にとっては先生のつまらない授業や友達を無理して作ることよりも大切なもので一人ぼっちだった僕をいつも希望で満たしてくれた。僕はそんな話をしてくれる爺ちゃんを尊敬してるし憧れている。
だが!!いつになったら見つかるんだよ!爺ちゃんの話が嘘の可能性もあるかなと最近思うようになった。
僕は踵を返し、トンネルを抜けようとすると異変に気づく。
「・・・うるせーな」
僕は慌てて後ろを振り返る。するとそこは先程のトンネルとは違い真っ黒な部屋に変わっている。
「ま、まさか!本当に異世界に転生出来たのか!?」
「うるせーよ!!」
つい嬉しく大きな声が出てしまった。
「こ、ここは異世界なんですか!!」
目の前にいる明らかに不機嫌なガラの悪い男の人に声をかける。学校なら絶対に関わりたくないタイプだか、今は話が違う。
「ったく、うるせーんだよお前。殺すぞ」
「はい、是非!」
「は??」
「いや、だってあれですよね!異世界に行くためには死なないと行けないんですよね?なので是非殺してください!!」
あれ?僕はなんか変なこと言ったかな?目の前の男の人が不思議な目で僕を見てる。
「お前、面白いな!自ら魔族に命を差し出すとは、いいだろう異世界に転生させてやろう。」
(ん?今魔族とか言わなかったか?ま、まぁ異世界に転生させてくれるみたいだしいっか!)
そのままなんか変な紙に血でサインをして契約をした。
「よし、これで契約成立だ!おめでとうお前の夢が叶ったな異世界へと連れて行ってやるよ!」
あはは!腹いてー!
おっとすまんの、つい笑いすぎた。まぁこうして彼の異世界転生が始まるわけだがさすがあの変態じじぃの孫じゃ、面白すぎるのー。妾の退屈な時間を潰すにはちょうど良い存在じゃ。まぁとにかく気長に見るかね、会うのが楽しみじゃ・・。
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