いけないんだぞ?
大罪の力で異世界の旅もよろしくね?
一歳になった。
もうさすがに一年もここにいると、
もともと自我のある俺はこの世界の
言葉の意味がわかるようになり、
しゃべることも可能となった。
呂律はうまくまわらないけどな。
そして、俺はとうとう
自分の名前がわかった。前の名前は
阿藤蓮弥だったんだが、
この世界で改めて名付けられた名前は
クランシュだ。
今日は母さんの友達のママともが
たくさん来ている。
子供もつれてきているので、
ひさびに遊ぶ相手ができて良かったもんだ。
ちなみに、きょうきた子供の名前と年、性別
は、こうだ。
ユラン (5歳) 男
エミリア (3歳) 女
リンド (3歳) 男
ルサーナ (1歳) 女
ユランとリンドは兄弟だ。
ルサーナは同い年なので、
基本的に俺はルサーナと一緒にいる。
ルサーナが泣いたときは、
俺が頭を撫でてやってる。
俺が一歳なのにやたら有能だから、
きょうきたママ友は俺を見ながら驚愕している
おれは、すこし声をだした。
「なにかようでしゅか?」
おっと、[す]が[しゅ]になってしまった。
また、しっかり意味のある言葉を
はっしたので、そこにもママ友は
驚いている。
ユランとリンドの母に関しては、
うちの子達より頭良いかもとかいってた。
暫くルサーナと遊んでいたのだが、
ユランとリンドが二人してエミリアを
いじめていた。
母達はそれにまだ気づいていないようす。
男二人で女一人をいじめるたぁ、
感心しねぇなぁ。
俺は、手の前で電撃をつくり、
二人を威嚇した。
二人は俺が魔法を使っているのに
びっくりしている。
「女の子をいじめちゃ、いけないんだぞ?」
いけないんだぞ?を強調して、
かなり手加減した電撃を
二人に向かって打った。
「あだ!」 「いで!」
二人の声に気づいた母達は、
俺が電撃を使ったことに驚いたあと、
一斉に俺を睨み付けたが、
エミリアがそこに口をはさみ
「クランシュくんは、
私がいじめられてたのを助けてくれたのに、
なんでおかーさんたち怒ってるの?」
という。
すると、ユランとリンドの母親は
二人を怒り、エミリアの母に謝罪、
エミリアの母親は、俺に対してありがとうと、
エミリアに大丈夫?と気遣っていた。
ルサーナの母親と俺の母親は、
どうやったら一歳からあんなにしゃべれて、
魔法まで使えるの?
と、会話していた。
エミリアは、俺によってくると、
「ありがと。」というと、その小さいからだで
俺をだっこし、俺のおでこにキスをした。
ユランとリンドは、心底悔しそうな
泣き顔で、俺のことをみていた。
そのあと、ユランとリンドと
しゃべれないルサーナを除く、
全員にほめちぎられた。
今回の
サブタイトル、もうひとつ候補があって、
がきんちょ。
でした。