2話 何気ない日常
今回、ヒロイン候補兼強化なしで強化した主人公と渡り合うというとんでもない女性が出てきます。
周りには優等生のお嬢様キャラでみられていますがその実姉御キャラです。
皆さんが少しでも楽しめるように頑張ります。
これからは
周りから聞こえる声 ⇒ 『』
周りの陰口などの小声 ⇒ ()
主人公や名前のついた登場人物のセリフ ⇒ 「」
で行くつもりです。
呪文なども変えるつもりでいますがそれはまた出てきた時に
歩いて十分ほどのところにあるどこにでもある共学の公立高校に在籍している。
高校生がこういうことをいうのはあまりよろしくないのだろうが、あまり学校に通うのが気が進まない。実際仲のいい友達もいるし学校や勉強が大嫌いだからという理由じゃない。要点だけ言うと会いたくたい人物がいる。この一言に尽きる。その人物のことは嫌いなわけではない。だが、会いたくないのには、理由があって・・・。
『おい、上泉先輩だぜ』
『ホントだ。おはようございます、上泉先輩。』
どうやら、会いたくない人物と鉢合わせしてしまったらしい。
上泉 蛍 (かみいずみ ほたる) ひとつ上の高校3年生女性にしては長身の180センチの身長と、でるとことはでてひっこむところはひっこんでいるモデルのようなスタイル。それに加え漆よりツヤのある黒髪を腰のあたりまで伸ばし、顔は大和撫子を思わせる楚々としたなかにも華のある顔立ち。
人当たりもよく、文武両道で元剣道部。剣聖と名高い上泉信綱の家系らしく自身も剣術修行で様々な流派を学んだらしいという完璧超人で男女ともに人気が高い。
といえば避ける理由はないはずなんだが、俺は知っている。
剣道部をやめたのは全国にいっても強いと思える相手がいなかったから。
勉強ができるのは様々な観点から自身の強化を図った際の副産物。
極めつけは、蛍のような優しい光で周りにいる人の心温める人であってほしいという両親の名づけの由来を「蛍丸という名刀がある。きっとその名刀のように鍛え上げろという啓示に違いない」とまでいう始末である。(本人談)
つまるところ、戦闘狂である。
ほら、こっちにきた・・・。
「おはよう、みんな。」
「そしておはよう、賀茂。」
「・・・おはようございます。上泉先輩。」
「そんな他人行儀じゃなくていいといっただろ、私と君の仲じゃないか。」
周りの視線が痛い。視線で人が殺せたらと言わんばかりの嫉妬の視線である。
普段は身体強化など使わず、周りと運動能力はそんなに変わらないのに目をつけられることになったのは、たまたま深夜に人がいない山の中で訓練をしているさなかにいきなり現れて身体強化込みの身体能力をみられたことが始まり。
実戦形式の試合をして勝利すると何度も挑戦を受けることになった。恐ろしいのは勝負の回数が増えていくに連れ身体能力や技のキレなどが向上し、最近は全力で身体強化してようやく身体能力が互角という恐ろしい事態になっている。おそらく人類最強はこの女だろうと試合をしながら度々思う。
後々、なぜあんなところにいたのかきいたところ「私の女の勘があそこに行けば運命の出会いがあるといった気がした。」と言っていたがそれは女の勘ではなくて狂戦士の・・・。
そういえば、自己紹介がまだだった。
俺は賀茂 創一。 奈良時代の陰陽師、賀茂忠行を先祖にもつ一族の分家。科学が進歩したこの時代で、陰陽師の一族と知られるとなにを言われるかわからないため周りには、いつも静かなガリ勉タイプに見られている。
誰に自己紹介をしたのかって?俺にもわからん。(メタァ)
そうやって勝負しようと絡んでくる先輩を振り払うように教室に行くといつものように男子に囲まれ尋問まがいの質問をされ、それをふざけるように回答しているとチャイムが鳴り授業が始まる。
すこし生まれと育ちが変わっているだけで周りと何も変わらない。それでよかった。
この日最後の授業とHRが終わり皆部活や帰宅の準備をして散っていく。
俺は家に帰ってからの修行のノルマがあるから部活はしない。
先輩に会わないように気をつけながら帰る。今までにこの時間に見つかり人気のない場所に連れて行かれ勝負という流れになったとこは一度や二度では済まない。
なんとか遭遇せずに変えることができた。
自分の部屋について着替えている最中、カサリと音がした。
ふと音のしたほうに目を向けると、机の上に黒い封筒が置いてあった。部屋に入った時にはなかったと思われるものだ。宛先の部分には白い文字で「招待状」の一言のみで裏には何も書かれていない。何があるかわからないが招待状と書かれている以上変な仕掛けはないと思いたい。
恐る恐るハサミで封筒を壊さないように開ける。
感想等お待ちしています。