1話 プロローグ
少し頑張ってみようかと思い書いてみました。
お目汚しかもしれませんが読んでいただけると幸いです。
かつて、世界には魔術・陰陽術などといったオカルト的なものが信仰され、重用されていた。そのうちそういったものは迷信に変わり、科学が発展してくれば現象として話がつけられるようになってきた。
だがそれでもこの世の中にはどれだけ科学が進化しても解明できないオカルトチックなものが必ず存在している。
そんな中の一場面鎖で繋がる物語・・・。
最近、夢を見るようになった。走馬灯のように人生がまるまる見えるわけじゃなく場面もバラバラだけど、とにかく知らないだれかの夢。
大きな宮殿が立っている、なんかアラビアンな感じ。周りの人が着ている服は大きな布を巻いただけに見えるからかなり昔のことなのかな?
みんなが跪いて何かを話している。この誰かは高いところに座っているみたいだしこの人は王様かなにかなのだろうか?
そして気が付けばあたりが燃えている。
周りが騒々しく空を見上げれば黒い翼を持った何かと異形のモノたちが戦っているのが見える。口から炎を吐くものもいれば殴りかかっているものもいる、黒い羽を持ったものたちも持っている武器で攻撃したり空に空に大きな模様のようなものを浮かび上がらせそこから竜巻のような風が出たり氷の塊が飛んでいる。
話している言語は知らない国の言葉でなにを言っているのかわからないから、自分が誰の夢を見ているのかわからない。
それでもなお伝わってくるものがある。それがなんなのかわからず、またそれを探している中でいつもゆっくりと水中から浮かぶように目が覚める。
目が覚めると見慣れた板張りの天井。10畳ほどの日本式の畳張りの部屋に本棚や机といったものが最低限のものしか見当たらない。時計を見ると七時前を指していて、障子からうっすらと入る木漏れ日に目を細める。
まだ寝ぼけている頭を全身を思いっきり伸ばすことで無理やり覚醒させる。
そのまま起きて布団をたたみ制服に袖を通す。高校に行く準備をしてから廊下に出て食堂に向かう。すれ違う人々はこちらを一瞥して、嘲笑を浮かべて去っていく。
突然だが、この家は俺の生家(せいか)ではない。
うちの家系は有名な陰陽師の家系らしくその分家の人間は普通中学生に上がる前にこの本家に連れてこられて今は既に廃れかけている魔術・陰陽術などを習い、継承していく。まぁ、俺は小学生になってすぐに親が死に、ここ(本家)に連れてこられたが・・・。
いくら廃れていてもただ受け継がれればいいというわけではなく、実力主義な部分もあり、血が濃ゆく強い魔術を使えるものは自分たちが歴史あるものを継いでいることや自分たちは特別であるというおもいから、自分たちは特権階級であるという意識が強く、現当主の自己顕示欲の強さもあいまってそれが半ば黙認されている状態である。
正直オカルト的なものが廃れてしまった今、そうやって威張り散らしているのをみると哀れに思えてくる。
食堂で周りの侮蔑の視線を浴びながら、かきこむように食事を済ませ、学校に向かう。
周りの反応からわかるかもしれないが、俺は魔術的なものを扱う才能が低い。分家にも関わらずなぜか多い体内魔力、しかし才能がないため使えるのは魔力の多さでゴリ押しする身体強化。その他の魔術は自分の魔力から直接変換できないので簡単な術でもロスの大きい魔法陣を書かなければ使うことができない。
そんな俺を周りは嘲笑うが、自分を卑下するつもりはない。
住まわせてもらっているので文句を言わず勉強はするが今の世の中でこんなものが役に立つとも思えない。
どうせ高校卒業とともに出ていく家のことだ。自分のことで精一杯だ。
こんなことを思いながら、自分も社会を回す歯車になっていくのかな・・・などと少し馬鹿らしいようなことを考えながら、学校という日常に向かう。
頭の上でその日常という歯車がきしんでいる音にきがつかないまま・・・。
この作品後々大賞に応募できればと思っています。
感想等お待ちしています。