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俺ら全員非リア住  作者: 澄麗
ひとりきりのバースデー
8/95

強く

『住むって、氷莉亜の家にか…?って、そこしかないか、まっ、マジで?なんで?』


テンパりがハンパないけども、それはそうだよ!?びっくりするよ?


いきなりすぎて頭にも言葉にもハテナだらけ。


『そっ、そうだよね…。いきなりごめんなさい…。私、1人で住んでるの。誰もいないの。』


詰まらせて話す氷莉亜。なんだか俺と似てるな。

氷莉亜の顔が暗くなるのがわかる。


辛かったんだろうな


日も暮れはじめていた。



『歩きながら、いこ。とりあえず、ちゃんとは聞くから』


眉を下げて不安な顔を見せ、小さく頷く


『人を頼れなくなって、自分も信じられなくなって、何もかも無くしてしまった。黎人くんなら、信じれる。だから、自分を変えたくて、お願いしたの』


自己チューだな。自己中心的だけど、それでいいと思うよ。自分を変えたいと思って行動を起こした。俺に隠さず話してくれた。

もうとっくに俺より強いじゃないか



今度は俺もかわんなきゃ。

いつまでも過去に囚われて、過去のせいにして、バカみたい。


『いいぜ、その願い、承りました』


へっ!?


と驚いて肩をビクつかせた


『ほっ…ほんとうに?私、無理なこと言ったのに』


何を今更、わかってんじゃん。無理すぎる願い、俺が叶えるよ


『今更やっぱ無理とか、いわねぇから』


大丈夫だ。氷莉亜と一緒に絶対、この先の未来変えてやる


すると

氷莉亜はよほど嬉しかったのか

大きな目に涙を浮かべた


大粒の涙が頬を伝う


何か氷莉亜の周りを取り囲んでいた、悩みとか不安とか、そういうのが解けたようだ。風と一緒に飛んでった。


『うっ…うぁぁぁーっ…ひっ…ぁぁあああっ…ぁぁ…!』


氷莉亜はその場にしゃがみ込み声をあげて泣き始めた


俺も腰を下ろして背中をさする


『大丈夫、大丈夫、ちゃんといるよ、ちゃんと』


こんなに小さい背中。よく耐えたもんだ。

氷莉亜は頑張ったよ


もう、1人にはさせないから


こんな俺を選んでくれた

強くなる。


君のために


決めたから。


もう、迷わない


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