きっと君を傷つけない
リア充にしてくれる?
俺にできるわけないじゃないか
1番の不幸人なんだぞ
自分でそう片付けたいのもわかってる。こんな性格じゃいつかは秋だって俺から離れてく、怖いけどわかり切ったことなんだ。人がいなくなるのくらいもう慣れた。
たまたま秋が優しかっただけ
秋はずっとこんな俺を受け入れてくれてた。ろくに感謝もしたことないくせに、俺は秋のこと全然知らないんだなぁ
最悪だ
目頭が熱くなる。
ああ、こんな姿見せたら白沢にも伝わってしまう
無理だ、俺に白沢を幸せになんてできるわけない
『ムリだ、俺には』
言ってしまった。
大粒の涙が白沢の頬を濡らした
『あなたは強いです』
白沢が俺を包み込むように言った
安心してしまう
涙か止まらない
白沢は俺を抱きしめた
『あなたしか、私にはいません。私もあなたと同じ気持ちです。私があなたを幸せにします。約束します』
淡々と恥かしい言葉を連発する
『お前…なにいってんだよ…言ってることがまるで逆だよな…』
でも、一緒にいたい
なんかこの人しかいない気がする
俺には、白沢氷莉亜の存在が必要なんだ
『好きです、あなたが』
俺の方を向く。わ、上目遣い……!
涙が一瞬で渇く
すっすっ、好きっとか、は!?なに?え?
ドキドキしてる、白沢にも聞こえてるよ
これって、俺のターンだよな
はーっ!!なんて言ったら…!
俺も好き、とか?
そんなこといえねぇーーー!
助けろ秋!
『俺、今まで誰かを喜ばせたことがない。俺と一緒にいてきっと白沢を傷つける。そんな俺の何を好きになる。』
『いいえ、あなたは私を助けてくれた。あなたの強さに私は惹かれたんです。』
俺よ、俺にできると思うか
この1人の人を大切にしたいと思えるか
愛されなかった人が人を愛すことができるか。また涙が溢れて視界を遮る
『俺、白沢を傷つけない』
約束するよ、君が俺を必要としてくれるんだ、あとは何にもいらないや
すると彼女は、見たこともない笑顔を見せた
可愛すぎるんですけど…!つか、俺のカノジョになるってことだよな…
うわぁぁもったいねえ
『ありがとう、黎人くん』
恥ずかしそうに、でも、嬉しそうに
『よろしく、氷莉亜』
まぁ、これからもっとすごい爆弾落とされるとはこの段階では思いもよらなかったな