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俺ら全員非リア住  作者: 澄麗
居てくれて
43/95

サクラサク

この前、咲良子が雑誌の表紙を飾ることに決まってその雑誌の発売日が決定した

"yes.yes.girls"

9月号


もちろんセンターが咲良子。

撮影が始まって咲良子はウキウキだ。


「はぁー今日も良かったよ!咲良子ちゃん〜」


「ありがとうございます!!お疲れ様でした!次回もよろしくお願いします」


私は礼をして撮影スタジオを後にする。


今日もハードだった…朝早かったしモデルの仕事って初めてだから帰ったら早くお風呂入らなきゃな


「咲良子先輩!」

後ろから声がする。

同じ養成所に通う後輩で、仲が良い紗世(さよ)ちゃんだ。


「おお!紗世ちゃん、どうした?」


「養成所の篠山先生がお呼びです」

「え!?わかったありがとう、今行く」


マジで…?養成所の管理者篠山先生から直々に話が…??なんの話だろ

私は篠山先生の楽屋に急ぐ


「すみません遅くなりました、百谷です」


「よく来てくれたわね、咲良子、座ってちょうだい」


「失礼します」


「緊張してる?強張らなくていいわ、いい話だから」


いい話?

「と、いいますと?」


「おめでとう。百谷咲良子さん。9月の雑誌発売とともに、我が社に所属することが決定したわ。」


え???うそ???でしょ…


「……Shiny Proに所属できるということですか…」


去年の夏から入所したずっと入りたかったShinyPro養成所、小学生の時からこの事務所に入りたくてオーディションを受けて、ダメで別の劇団に入ったりしてた。でも去年ようやく養成所に入れて毎日充実したレッスンに刺激を受けてた。早くも…努力が認められて…

所属??


「そうよ、咲良子、これからよろしくね」


黒髪ボブをさらっとなびかせ篠山先生は続ける


「あなたの才能、養成所でも他の劇団でもずっと見てたのよ。感じてたわ。あなたが持ってる輝きを、ついに発揮する時がきたようね。」


「ありがとう…ございます…ぅっあっひっううぅ…よろしくおねがいしゅばしゅ…」


ふふっと笑い声が聞こえたとき、篠山先生はふわりと私を抱きしめてくれた


「もう、泣きながらしゃべらないでよ…私も泣きそうじゃない…」


あとから聞いた話だが、ShinyPro養成所は私以外来年まで通う人はいなくなってしまうらしい。

後輩もいたけど夢を断念したり、学業に専念するためにShinyPro養成所を退所することを決めたのだそう。

私は9月から事務所に所属できるけれどなくなってしまうのは悲しい。先輩よりも後輩と仲良くしていたからさっき話しかけてくれた、紗世ちゃんもキラキラしてて可愛いなと思ってたのに…今現在養成所に残る生徒は紗世ちゃんだけ。

紗世ちゃんは来年からShinyProと業務提携している別の事務所、RINGProに所属するのだそう。


私頑張らなくちゃ

憧れの事務所の、養成所からの最後のタレントとして。

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