狙われる
はあ?
氷莉亜のヒミツだって?
俺が知らない氷莉亜の秘密をなぜこの人が知ってるんだよ
嘘かもしれない
俺にも嘘ついてんだよきっと。
嘘だ嘘だと考えるのでいっぱいだった。
目の前のこの女が徐々に近づいてくる。何されんだろ
俺の足は勝手に後ろに後ずさる
壁との距離が近づく
足が壁につく音が聞こえ、目の前にはその女。そいつの目はキラリと光っている。瞳の奥で何かを隠し企む。そんな瞳だった。
上目遣い。
俺の体を見つつ、背中に手を回された
腹筋や胸、首を触っていく
やっ…やなんですけど…!ひたすら不快…でも、動けない。
この人自体魔法使いみたいで、その魔法にかかってしまったように、この人好きにさせてしまう
「ああっ、いい体っ…」
艶っぽく言う声が耳のそばで聞こえ無意識に鼓動が早まる
なんだよ…こいつ
されるなら氷莉亜がいい…
吐息交じりのその声を聞き、触られる体は熱を帯びる
「ねぇ……黎人くん、今度は私の秘密教えてあげるっ…はぁっ…ごめんね、緊張してるっ…!」
なんでだよっ!俺の胸に当たるこいつの頭。腹のところにはちょうどデカイ胸が当たり、事態は最悪。おまけに香水の強い香りと、俺はもう色々ダメになりそうだった。
てか、気持ち悪
「私っ…黎人くんがね……好き。好きなのっ…だから、私を黎人くんのモノにして…!」