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俺ら全員非リア住  作者: 澄麗
新しい自分みるかもね
28/95

近距離


「れーいくん入っていい」


ドアの向こうから咲良子の声


「ああ、いいよ」


ゆっくりと音を立てずに入ってきた咲良子は髪をおろしていて、部屋着を着ていた


風呂上がりのためすこし顔が赤くなっていた


「座んなよ、疲れるでしょ」


丸テーブルの座布団に正座をした


ん?ちょっと真面目なの?この空気は


「デビュー、決まりそうなんだってな、おめでとう」


「ああ、そうなの。秋から聞いたのか。まだ正式じゃないんだけどね、雑誌であの3人で表紙を飾るっていう企画があってね。いきなりであたしも驚いちゃって」


すこし照れた表情を見せた


嬉しんだな…さすがだよ咲良子

ついに努力が報われる日が来るんだ


「その報告に来るのかと思ってた。ほかに話すことがあったのか?」


と言うと咲良子は急に顔を下にむける


どうしたんだろう。用件はこのほかってこと?


「……じっ…実はね、あっ…あたし」


言葉はすんなりでなくて詰まっている

くるしそうだな


「さっき、れいくんに惚れちゃった」


はっはい!?


どういうことですか?


「なんだ、それ」


あえて戸惑いを隠す

俺がここで迷っても咲良子をもっと苦しめるだけだ。


「さっき…黎くん私の腕引っ張ったじゃない、あれ、めっちゃドキドキした…恥ずかしくなった」


俺のせいか。そんなつもりじゃないんだけどな


「いっ…いや、あの、別に黎くんが変なこと考えてるとか思ってないんだよ!でも…そんなことされたことないから、緊張しちゃって」


悪いことしたなぁ…おれ、めっちゃ悪いことした。多分秋に嫉妬させてしまったんだ。察しがつく。


辻褄が合う


「悪かった、俺がそんな思いさせてしまったら全部俺のせいだな。ごめん」


「ちがうよ!それは違うの…あたしの勝手で…黎くんは、なんにも悪くないから!だから、謝りにきた。ごめんなさい。」


深々と床に綺麗な形の額をベタッとつけた。


お前が謝ることないのに…


「それだけ、あとは秋しか見ないから」


ありがとね、聞いてくれて


おやすみ


んじゃ


といって手を小さく振った


また静かにドアが閉まる音を聞く


「秋しか見ないから」


か、咲良子もただのバカじゃないな


すっげえや

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