逢えて良かった
僕が去年、黎人と同じクラスになって悪い言い方をすれば“付き纏った”のにはやっぱり彼をヒーローだと思ったからだ
僕たちの通う条徳高校入学式彼をはじめて見たのはその時。
彼は一年生代表の言葉を述べた
ほとんどの一年生は黎人のことを知らなかったし周りを見ても、入学式なんて真面目に聞く人が多くはいなかった。
でも僕だけは、彼の言葉に感銘を受けた
「ここに集まったのは、運命であり偶然でない。新たな出逢いを求め日々学問や部活動に励むことが、条徳ですべきことである」
その言葉に僕はここにいてすべきことを考える機会をくれた。
親が入れと言ったから条徳に来たわけで、特にしたいこともなかった。
咲良子も必死に条徳にはいるべく、猛勉強
僕の後をついて来るんだとすぐ分かった
僕がすべきなのは…
十黒黎人と親しくなること
そうだと思ったんだ。
バカバカしいかもしれないがこれはホントの話。
自分がするべき道、黎人と仲良くなりたいのは言葉に隠された才能。
文才があり、賢い。見るだけでわかる
僕だったら多分、楽しんで行きましょう
的なことを考えるだろうなって
黎人は他の人とは違くて、たくさんの経験を積んでいるように見えた
ダラダラ生きているわけじゃなくて
なにか考えて生きてるんだろうな
てなかんじの。ピンとくるものがあった
だから絶対友達になりたい
彼と過ごして自分を変えたい。
流されて過ごしてきた自分を
そんな気持ちがあって、結構ガツガツアプローチしてここまでの仲になったんだよね
彼の文才は趣味が読書ってこと
人と付き合うことを自分からはしないけど、いざとなればなんとかできる
かっこいいじゃないか。
人波に流されず、自分を持っている彼
黎人に強く影響された
「そうだよね、咲良子だって約束は破らない」
部屋に戻り、咲良子が風呂から出るのをみてから風呂へ向かった
明日はご飯担当だ