新しい
あっ…!これ次巻出たんだ。
俺の目についたのは正月になったばかりに買ったSF長編の次巻だ。
続きがものすごく気になっていたんだよな…俺の大好物、サイエンスフィクション!
この物語は学園が舞台だ。でも、ただの学校じゃなくて、将来警察や捜査官などの職に着くための学校。
本格アクションを見ているような訓練授業。実際警察官となって謎を解決していくような珍しい学校で、主人公は校内の生徒が次々と殺されていく事件を任されるストーリー。
ミステリーなんじゃないかって思ってたんだけど、彼らがするのは暴走族達の逮捕を目的とする描写が多いんだ。訓練のうちなんだけど組織との闘いもある。
それが面白いんだ。
殺人事件はすっごく気になる展開で終わってしまっていたんだ。
早く見たい…!
「秋?ねぇ、これ。」
と本を丁寧に手に取る
秋を向くと困った顔をしていた
「はいはい、了解しやした」
渋々言いながら眉を下げて笑った
「ん。あんがと」
スタスタとレジに向かう。後ろについて歩く秋は速度を落としてやがる。
もーにげらんねぇぞーい
「片瀬さん、決まったんでお願いします」
まだ氷莉亜と話してたか、レジ横に目を向けて背中をそらし呼ぶ
「はいよーちょっとまってねー」
そそくさとレジで会計
金はもちろん秋な。
ああ、もう秋の顔死んでるわ
こいつは笑うしかないわ
「えーなに、秋くん黎人くんになにしたのさ。顔がこの世の終わりって感じだね」
片瀬さんもめちゃめちゃ笑ってる
氷莉亜と一体なにを話したんだろうか
気になるな
本を袋に収め、手に取ろうとした瞬間
「そいでさ、黎人くん? 」
片瀬さんは本をひょいっと自分の方へ引いた
な、なに?
「お願いがあるんだけど!」
っ……なっなんだ。悪い気配しかしないぞ
ニヤニヤしてるよ…この人。
なんなんだ…。
「黎人くん、秋くん、氷莉亜ちゃんをこの夏からバイトとして迎えたいんだ」
ん?
片瀬さんの一言が全く耳に入らない。
つまり?
片瀬さんの言葉を何度もリピート
働けってこと…
ですか…