出会いは突然お金も突然消えて。
すぐにその声に反応し、顔を上げる
声の主は皆来書店の店主
片瀬さんだった。
「久しぶりじゃないのよー黎人くん、秋くん!どうしたの?最近忙しかったの!?」
片瀬さんは大の喋り好き。
はじめてのお客さんとか、話しかけるの大好き。そして、話出すと止まらない。
なんか一冊でも買うまでな。
まぁ、本買うために来たんだし問題はないんだけども。
「夏休み前はテストだったので、少し忙しくしてました」
「そっか〜さっすが今時の高校生は何をするにも忙しいのねぇ。感心感心ー!って、ちょっと、そのお隣のお人形さんみたいなかわゆい子はどなた?秋くん彼女?それとも、まさか黎人くんのほう?ね!どうなの秋くん!?」
うわぁ…きた。爆弾落としてきた
秋に落ちた。
「そーうなんですよぉー!聞いてください片瀬さん〜!黎くんったら、僕の知らないところでこんな可愛い女の子と仲良くて、僕も嫉妬しちゃうくらい仲良しなんですよ〜」
まったこいつは、よけーなこといいよって。
お前が原因だろうが、お前が。
すると、秋の言葉を丸まる全て耳に収めた片瀬さんは俺に近づいたとおもったら
「黎人くん、やったな」
と耳にそっとつぶやいた。
そばで、氷莉亜がなんにも知らない顔で首を傾げた。
そして、氷莉亜の手首を引いてレジ横まで連れて行く片瀬さん。
「ちょっー!片瀬さん?どこに行かせるんですか?」
「いいでしょーもっと氷莉亜ちゃんとお話ししたいのー!独身のおばちゃんはお人形さんとお話しする時間があっちゃダメなの!?」
店内に片瀬さんの声が響く。
店長だから許されるんだけどな。
とりあえず片瀬さんは悪い人じゃないから氷莉亜を任せる。なんだかんだ氷莉亜、嫌そうな顔はしていない。
「秋、こっち」
俺は秋を連れて長編小説コーナーへ
「げっ…まさかの長編。軽く二千は超えるな」
甘く見るなよ、てめぇの罪は大きすぎるんだからな。でも?、氷莉亜に出会えたことは感謝してあげてもいいけど?
肩を落とす秋をバッチリ無視して新作をあさっている。