暇を潰しに来たつもりです
しかーし、あっづい
氷莉亜の家は高級住宅街にある。
駅もかなり近い
色々便利なのだが、俺の家の近くに、馴染みの本屋があるのだ。
だから坂を登らなければならない
「あっづいなぁ」
俺が呟くと
「黎くんそれ禁句だわ」
と秋。秋に顔を向けると汗が頬を伝っていた
「氷莉亜、すまないな。駅に近い本屋なんてたくさんあんのに」
わざわざ坂を登って行くなんて、殺す気か!?みたいな。
まあ、優しい氷莉亜はそんなこと言わないと思うけど
「ううん、全くそんな、思ってないよ?むしろ、黎人君が私を誘ってくれて嬉しいんだ」
白いワンピースに身を包み、それと同色の女優帽を被っていた
ノースリーブから見える抜ける程白い肌は、少しだけ涼しささえも感じた
「そっか、も少しで着くから」
なんとかお互いを励みにし坂を登り切った。
ちょっと先を行くと
行きつけの本屋。
「皆来書店」
の看板が見えた
「氷莉亜、ここだよ」
俺が指差すと氷莉亜は嬉しそうな顔を見せた
中に入ると冷気が疲れた体を蘇らせる
「わぁーーしあわせ」
入ったすぐそばにあるソファに揃って腰を下ろす
脱力なう、。もう外出ない。
俺たち3人
心地よ過ぎて召されてくんじゃないかってくらい、顔が緩んでたんだろうな
「ちょいちょい〜なーに学生諸君!?夏休みにもなって、本屋まで涼みに来る子なかなかいないけどっ!?ってーなんだい、黎人くんたちかい。」
ここでよく聞く声を聞いた