ふるふる
俺と秋は1年の時、同じクラスだった
席が近かったわけじゃない
俺はむしろ友達なんて要らなかったし、出来ないだろうと思っていた。
でも、ある日突然俺の後ろには秋がいた
その頃から秋は、不思議なキャラだった。最初はなんだこいつ
って感じで冷たくしてた。
ま、今もそうだけども
俺は自分の家族がどうとか言ったことなくて、こいつに言ったらバラされるって思ったから
今思うと話してもいいかなっていう気持ちもあって
だって俺がしたことじゃないもん
あいつらが勝手に起こした行動にすぎない
きっと秋、黙って聞いてくれるはずだ
秋からも聞かれないし
秋の事も1年経った今でもわかんない
ただ、俺が秋を初めて認めた日がある
あれは…そう梅雨
俺は帰る頃になっても激しく降る雨をじっと眺めていた、傘を忘れたわけじゃない。
朝に折り畳み傘をさしてきたんだけど、風強くて壊してしまった。
いつまで待つんだろうな…なんて考えつつもずっとここにいそうな雰囲気
「あれ!?十黒くん…どうしたの?」
振り返ると朱間秋がいる
「いや…別に」
うっさ、めんどいのまた来た
って思ったかもしれない
「まあまあ、素直になってよ〜」
はっ!?ちょっとイラってきた
と思うと背中が重たく感じる
同時に
「じゃっ!」
と手を振る秋
リュックに自分の傘をかけたのだ
その時俺は
この人なんてかっこいいんだろう
ただそう思ってしまったのだ