9、記憶ぶっ飛ばされずに済んだ姫のターン
ソフィは驚いた。さすがに、ずっと城の中にいるとはいえ、噂…そう、噂ぐらいは、ソフィの耳に入る。その噂の内容…それは…
『城に住んでいる聖霊に侍女が神隠しにあった』というものだった。
(ユノさんですね…)
そう思わずにはいられなかった。どうやら城に住んでいる精霊、ユノは存在をアピールしだしているらしい。
「ユノさんって神隠しするんですね」
何だかいろいろとユノさんが来てから新鮮なことばかりだ。
(ユノさんが隠した次女さんは誰なのでしょう?ユノさんの友達でしょうか!?もしそうなら会ってみたいです。きっといい人ですねー)
そうやって一気に想像した。
(あっでも不思議な子かもしれませんね…)
ユノさんは不思議だ。つかみどころがわからない。フワフワしている人だと思う。
精霊ってどこから来たんでしょう。この世に魔術が存在するならば精霊も確かに存在するのだろう。それもユノさん一人ということはないだろう。
「ユノさんって精霊で友達がいるんでしょうか?ユノさんって雰囲気が少し男前というか堂々としているし…」
女の子に好かれるのかもしれない。私はユノさんのことが好きです。侍女さんもユノさんが好きなのでしょうね。
(はっまさか駆け落ち!?あっでもユノさん男でもないって言ってたし…)
ユノさんと侍女さんの謎は深まるばかりだった…。