4、無理やり姫にされてしまった感じの人のターン
場内はいつも通り平和だ。侍女たちはいつも通り私のもとへアフタヌーンティーなどを運んできてくれる。平和…。確かに平和だ。何も変わることはない。いつも、いつも確実に、何も違えず、決まったことだけが起こる日々。
平和…。でも、私の中では何かが違う気がした。
静かで、なんだか狭い…。
と、いきなり扉がノックされた。
「どうぞ」
この、かたくるしい言葉も、なんだかな…。
「姫様、アフタヌーンティーでございます」
「ありがとう…ございます」
紅茶を入れれるとは、結構苦労しているのではないのかな、と思った」
私にだって…きっと。…できる…!!…多分。
「あっ、とてもいい香りですね。あなたが選んだのですか?」
いろいろ考えて、やっと香りのことに気が付いた。この香りを選ぶとは、素敵な人を思い浮かべる。
「お褒めいただき、光栄です。わたくしめが、選んだものでございます」
私は、城の人も、外の人なんてもっと知らない。こういった素敵な人がもっと、たくさんいるのかと気になった。私はもっと知りたい。
せめてでも、私のことをちゃんとした名前で呼んでくれる人と出会いたい。気遣わなくてもいい、この際呼び捨てで呼ばれてもいいから!
…そもそも私の本名を知っている人はいるのかな…?
そこからして気になるな…。もう少し、何か変化のある日があったらいいのに…。
そういえば、最近宮廷魔術師が新しく入ったらしい。そう、会うこともないうちに終わってしまうのか―。
姫―ソフィ=ルツ・メルネステルは、入れたての薫り高い紅茶を静かに口に含んだ。鼻の奥に良質な香りが広がっていく…。
それにしても、なんていい香りなんだろう…。うっとりしながら夢見心地で、見飽きた窓からの別の世界を眺めた。
姫役の人曰く
ソフィ…今、ハ●ルの動く城を読んでいるし、ありきたりだったし、これでいーかー。
ルツ…王族には、結構これがつくらしい(姉曰く)
メルネステル…これこそ、本当にテキトー。なんか雰囲気出たかな…?