17、勘違い続行中な姫様のターン
「ああ、行ってくるよ」
ああ、なんてユノさんってトリシャさんのことになると逞しいのでしょう。
「やっぱり素敵です~」
そして、城の状況を見渡した。静かだ。きっとさっきのことで城内混乱中なのであろう。
「私も、甘えていちゃだめですね!」
そういうと、すぐに行動。自室に戻ると、クローゼットを開け、剣の稽古に使っているスーツを散りだすそして、棚に安置してあるレイピア―本当は父が対☆不審者用にくれた、一度も使ったことのない新品の真剣―を手に取る。刃をよく確認する。錆びついていないか、埃が付いていないか…。確認を終えると、スーツに着替える。
もう一度レイピアを手に取る。ひゅんっと真剣で空を試し斬り。
「ユノさん、トリシャさん、待っていてください。私も応戦します。王族は国を守るためにあるんです。その王族が、民一人二人、守れず、どうして国を守れるというのですか!」
張り切って、自室を出る。私の目の前には、バラの迷宮…。バラを斬り、進む!…
(でも、そんなことしたら皆さんに迷惑かけちゃいますね。それにバラも、ここに住む虫や動物もかわいそうですしね…)
素直に迷宮を彷徨うことにした。
数時間後―。
玉座の間に行った時と同じようにバラ庭園を抜けた。
そして、玉座の間の扉の前に立った。
「お父様、お母様、お兄様たち…。私は少し旅に出ます」
さようなら、を言うと城の裏出入口―非常用の避難経路―に行き、床をスライドさせた。そして地下に入っていく。ソフィはここまでしかよく知らないしかし、進まないことには始まらない。聞くところによれば、この国メルネステルが魔王軍に侵略されたときに聖堂につながるようにつくられたとか…。
(あれ…?どんどんジメジメしてきました…)
奥に進むと…そこは地下水道だった。
「わぁ、すごいです」
ソフィは、迷わずに進んだ。服がぬれるとか、そんなことは気にはしなかった。とにかく今は
「ユノさん、トリシャさん、アキラクンさんに負けないで…!!」
とかで頭がいっぱいだった。
そうして何とか抜けた地下水道。
聖堂につながっていたのだ…本当に…。
「…!何だか、勇気出てきました!ソフィ=ルツ・メルネステル、今行きます!!」
ソフィは走った。