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二度目(?)のデート その1

いつもありがとうございます!


今回ちょっと短いです。

 昨日バイトで帰りが午前サマだったが、今日は朝七時に起床する(ちなみにいつもは十一時起床)。目覚ましと携帯のアラームをガンガン鳴らしても、しばらくボーっとしていた。睡眠五時間はキツイ。いつもはガッツリ八時間睡眠だし。


 今日はなぜか付き合うことになった鮫島さんとのデート。昨日の朝おばちゃんに返事をしたばかりなのに、その数時間後にはもう彼に伝わっていた。


『早速だけど、明日空いているならどこか行かないか?』


 『行きたいところは?』と訊かれ、しばし悩み、近くの遊園地を指定した。大人な鮫島さんには似合わないとは思ったけど、デートといえば遊園地しか思い浮かばなかった。世の中のカップルは初デートで一体どこへ行くのだろうか。


 待ち合わせ場所の駅まで車で迎えに来てくれるそうだ。しかし朝九時の待ち合わせはつらい。もう少し早く言ってくれれば、バイトのシフトをどうにかしたのに。


 ボーっとし過ぎて、気づいたらもうすぐ八時になるところだった。またもや朝ご飯を食べる時間がなくなった。慌てて顔を洗う。


 動きやすい格好……と呟きながらクローゼットをあさる。ハーフパンツにタイツ、ブーツにタートルネックのセーター。今日は冬の割には暖かいそうだからポンチョを着ることにする。


 メイクは見合いの時よりは控えめに。あのときはちょっと濃すぎた。休みの日はノーメイクだが、それもまずいのでナチュラルメイクを心がける。デートだからと気合を入れ過ぎて引かれるのは避けたい。ベースメイクはしっかりと、あとはチークとマスカラとリップだけ。

 髪の毛は櫛でといて終わり。これも縮毛矯正サマのおかげ~。


 斜め掛けのかばんをかけて家を出る。駅まで徒歩十分だから、ちょうどいい時間に駅に着くはずだ。




 駅のロータリーに着いて鮫島さんの姿を探すと、すぐに見つかった。車にもたれて待っている彼は、周囲からの視線を独り占めしていた。


 前に会ったときはスーツでかっこよかった。今日はニットのシャツに厚手のジャケット、デニムのパンツとブーツでラフな格好だったがそれもいい。髪型もおろしていて、かなり若く見える。


 くぅーっ、何やらしても様になるのか、この色男! 何かムカつく。


 鮫島さんがわたしに気づくと軽く片手をあげた。正直近寄りたくはなかったけど彼のもとへ向かった。

 え? 何で近寄りたくないかって? わたしと彼が並んだら周囲はガッカリするだろうが。「え、あのいい男の連れがあのちんちくりん!?」ってね。自分を卑下する言葉は嫌いだが、わたしが客観的立場ならそう思ってしまうから仕方がない。


「おはよう」

「おはようございます」


 爽やかですね、早起きですね。オジサマの朝はやはり早いんですか。


 浮かない顔をしていると鮫島さんが心配そうに顔を覗き込んできた。


「どうした? 気分でも悪いのか?」


 わたしは首を横に振る。少し言いづらいが言ってしまおう。


「ご飯買っていっていいですか」

「また朝飯抜きなのか。いいよ」


 呆れられてしまった。遊園地まで待てって言われたらどうしようかと心配だった。腹ペコだと不機嫌になります、わたし。


 駅のコンビニへ向かい、おにぎりとコーヒー牛乳を買う。その組み合わせに眉をひそめられた。


「その組み合わせはないだろう」

「お茶はちゃんと持ってます。コーヒー牛乳は食後なんです。別腹!」


 そう言い切るがまだ納得していない様子。そのこだわりは放っておいて下さい。


 車に乗り込み出発する。遊園地まで約四十五分。天気のいい日曜日の割に道はすいていた。


 モグモグとおにぎりを食べてお茶で口の中をリセットする。その後コーヒー牛乳に口を付けた。満腹になって上機嫌になったわたしに彼は苦笑する。


「本当に感情が顔に出るな。見ていて飽きない」

「わかりやすくていいでしょう?」


 コーヒー牛乳を手放さないわたしに彼は尋ねる。


「よくそんな甘ったるいもの飲めるね」

「おいしいですよ。ブラック派の鮫島さんにはわからないかもですけど」

「よく覚えているね」

「ケーキ屋で何も入れてなかったので」


 前回のひやひやした見合いとは違い、話も自然に続く。でも一番訊きたいことは、まだ言う勇気が出ない。


『どうしてわたしと付き合おうと思ったんですか?』


 今日はこれが訊きたくて来たようなものだった。運転する鮫島さんの横顔を見つめる。横から見てもかっこいい。ふと彼がこちらも見て微笑むものだから、照れて俯いた。好きじゃないはずなのに胸の鼓動は止まらなかった。


 遊園地に到着し、車を駐車する。助手席に手をつき、後ろを見ながらバックで車を止める。こういうシチュエーションでドキッとするという。でもドキッとどころじゃないし、心臓バクバク。顔近い。至近距離で眺めていると彼に見つめ返された。


「……何ですか?」


 照れて赤くなっているのを自覚しているので、ついそっけなく聞いてしまう。


「この間より化粧薄いね」


 よく見てらっしゃる。あ、でも手抜きではないですから。


「今日の方が似合っている。若く見えるよ」

「……そりゃどうも」


 多分“意外と若い”発言のフォローだろう。いや、まだ若いんですよ! “若く見える”ではなく。やはり厚化粧が老け顔をより際立たせていたみたい。反省。


 駐車を終えて車を降りる。いざ、遊園地へ!


必要ないかもしれませんが、一応説明します。


この話の題名が『二度目(?)の~』なのは、本当は初デートなのですが、

ラナにとって初デートはお見合いの日になっているので『二度目のデート』って題名にしました。

でも鮫島からみれば初デート。あれ? かみ合っていない…

ということで?がついています。


長々と失礼しました



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