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親友の尋問 前編

強力な新キャラ登場


もはやただのガールズトークです

 初デートから三日後、わたしはランチを食べるべく、とあるイタリアンのお店に向かっていた。デート? いえいえ、平日なのでそれはないです。


 今日の相手は親友の三田みちるという美人さんです。姉御肌のみちるには日々お世話になっていた。今日は彼女に呼び出されました。


 というのも月曜日。デートの余韻を引きずりながらも、やはり親友には報告せねばいけないだろうと思い、メールをした。




『 みちるへ

 ごぶさた。元気? 最近忙しいかな?

 わたしは変わらないかな。あ、でも時給あがってラッキー。

 またご飯でも行こう。

 おまけだけど、見合いして彼氏できた。

 じゃあね。 』



 すると即返事が返ってきた。



『ちょっと、どういうことよ。おまけが一番大事じゃないの。    

 ちゃんと説明しなさいよ。水曜ランチ行くわよ。

 すっぽかしたら承知しないからね。 』



     

 おぉ、怖い。怒らせたら右に出る者はいないほどのお方です。こうなったら納得するまでしつこいですよ、親友サマは。


 というわけで指定されたお店に着きました。店に入るといました。みちるはわたしの姿を見つけると開口一番怒った。


「遅い!」


 まだ約束の時間前なんだけど。でも逆らいません。いつものことなんで気にしないようにしていますが。


 みちるの職業はウエディングプランナー。わたしには関わりのない職業だと思っていたのにお世話になるかも。まだ先のことだろうけど。


 注文を済ませた後、やって来ました。恐怖のお時間。


「で、どういうことか洗いざらい話してもらおうじゃないの」


 このお方の尋問攻撃から逃れるはずもないことがわかっているから、この約一週間にあったことを包み隠さず話す。食いついてきたのは、やはり鮫島さん本人のこと。


「へぇ。バツイチの色男ね。写真ないの?」


 そう言われると思って、かさばるのに持ってきましたよ、見合い写真。断られると思っていたからすっかり放置し、その存在を忘れていた。とっくに捨てられたと思ってたのに、母が大事にしまいこんでいた。「こんないい男の写真、捨てるのもったいないじゃない」だってさ。この面食いめ。


 写真を見せるとみちるは目を丸くした。


「やだ。すごい男前じゃない。見合いなんてしなくても女に苦労しなさそう」

「でしょ? だからずっと不思議だったんだ。わたしと付き合うって言われたとき」

「結局何て言われたの?」

「『君の前では飾らない自分でいられる』みたいなこと言われた」


 みちるは頷いて言った。


「バツイチ男ってそうらしいのよね。ドキドキ感より安心感を重視するって。で、あんたの気持ちは? 好きだから付き合ったの?」

「わかんない。嫌いじゃないよ。いろいろありすぎて自分の気持ちが混乱してる。でも一緒にいると楽しいし、鮫島さんのこともっと知りたいって思った。それで付き合い始めるのって、駄目かな?」

「いいんじゃない。男に恋愛感情を持ったことのないあんたがそう思えるだけで大進歩よ。知りたいって思ったってことは、きっとその人のことを気に入ってるはずだわ」


 そうか。こういう恋愛の始まりはいいわけね。


 わたしがちょっと安心していると、みちるが話を変えてきた。


「それよりこの人、仕事の鬼なんでしょ? あんた大丈夫なの? 自分からまめに連絡するタイプじゃないでしょう?」


 そう。自分からグイグイ行くタイプじゃない。もしかしたら鮫島さんもそうなのかな? いや、見合いの返事をしてすぐ連絡来たってことは、まめなタイプなのかな?


「そういえば日曜のデートから一回もメール送ってないや」


 そう言うとみちるの雷が落ちた。


「何やってるのよ! どうして送らないの。『今日はありがとうございました』とか『また行きたいですね』とか、どうとでも送れるでしょ?」

「えーっ。ちゃんと別れるときにお礼言ったもん。十分じゃない」

「はぁ。これだから男と付き合ったことのない女は……」


 呆れ顔のみちるにさらに大きなため息をつかれて、反射的にムカッとした。


「放っとけ!」


 完全に拗ねたわたしをたしなめるように、みちるは話を進める。


「まめに連絡しなきゃ駄目でしょ。いくら結婚前提の付き合いっていったって油断は禁物。これだけの男なら他に持っていかれるわよ」

「でも自分に媚びて顔色をうかがう女は嫌いだって」

「まめにメールすることが媚びてるって? 付き合ってるならいいじゃない。この人、あんたを気に入ってるんでしょ? 好きな人からメール貰えたら嬉しいわよ」

「そういうもんかなぁ……」


 うーん、恋愛って難しい。鮫島さんにメール……。何て送ればいいんだ? デート直後とか次の日なら送りやすいけど、もう三日も経ってるしなぁ。


「じゃあ、みちるは菊池くんにどんなメールしてるの? 参考までに教えてよ」

「参考にならないわよ」


 みちるの彼氏、菊池くんは年下の大学生。彼はみちるに相当惚れ込んでいるらしい。


 嫌がるみちるに頼み込む。見本が欲しいんです、彼氏に送るメールの見本が。


「じゃあ、あいつの送ってきたメールなら、……まあいいけど」


 折れたみちるが見せてくれた彼氏からのメール。それを読んで途方に暮れた。




『 僕のハニー、みちるちゃんへ


 今どうしてる? 仕事かな? 僕は授業中だよ。

 みちるちゃんに会いたくて会いたくてたまりません。

 もはや充電切れ。みちるちゃんに会ってギュッとしてチュッとして

 エネルギー補給したいよぉ。

 みちるちゃんのことを考えると胸が苦しくてぜんそくです。

 今度いつ会える? たまにはみちるちゃんからメールしてくれると

 僕はカーニバルです。

 お仕事頑張ってね。僕もバイト頑張る。ラブ。


  愛しのダーリンより 』




「……これをわたしに送れと?」


 冗談じゃないよ。こんなメール送ったらアホの子だと思われる。


「別にこんなアホなこと書けなんて言ってないでしょ。こういうのを送りつけてくる奴もいるってこと。正解なんてないんだから」


 ちなみにこのメールにみちるが何と返事したかというと……。


『真面目に授業受けろ』


 この一言だったらしい。それでもすぐ返事が来たことに大喜びした彼は、さらに長文の返事をよこしたそうだ。


「……愛されてるね、みちる」


 何度か会って話したこともある、みちるの彼氏。こんな脳みそお花畑な子だとは思わなかったな。いい青年のイメージだったのに……。ちょっとチャラいけど。


「馬鹿な子ほどかわいいってことよ。さ、あんた今すぐメール送りなさいよ」

「ええっ、今なの?」

「善は急げってことよ。早く!」


 しぶしぶメール作成画面を開く。どうしようか……。




ガールズトーク、まだまだ続きます。

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