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2 ジャンヌさらわれる

ジャンヌがホァンロンにさらわれた。そして謎の男レンの暗躍。王家継承問題に係わる話に巻き込まれたのか? それとももっと大きな事件に?

なるほど、外には先ほどの男――ホァンロンと、そして白いローブの男二人に腕をつかまれ、身動きの出来ないジャンヌ。ドディはホァンロンを鋭い眼で睨みつける。シィバはそれほどきつい目つきではないが、厳しい視線だ。

「てめぇ……やっぱりそうくるんだな?」

 怒気あらわに、低く声を抑えてドディがホァンロンに言う。

「強硬手段ってやつだ」

「先ほどと口調が違いますね?」

 と、慇懃ながら、厳しい語調で、シィバ。

「ちょっとぉ、早く助けてよ! ドディ~~」

 白いローブの男二人は、暴れるジャンヌをもてあまし気味に、それでもやっとのことで抑えつけている。多分魔力を封印する術法でも施したのだろう。ジャンヌがその気になれば、術法でふっとばすことも可能なのだが。

「目的は――この地図、だな?」

 ドディの質問にホァンロンはこう答える。

「まあ、それもある、だが、な。この娘にも用があるのだよ」

 意外な答えに、ドディは少し戸惑った。

「ジャンヌに何かあるのか?」

「それは言えんな。とりあえず、これでも食らっておけ! 黄龍土爪陣!」

 ホァンロンが地に手を当て、そう吼える。綺麗に石で舗装された地面が裂け、刃となり、ドディたちに襲い掛かった!

「くっ! 大樹の守り!」

 その術法が土属性と見破ったドディはすかさず、それを相殺する木の術法の防御術を唱える。だが、その木の力より土の威力が大きすぎ、ドディたちは吹っ飛ばされた。

「どうするね? ドディよ、地図を渡すか、それとも……」

 ホァンロンの威圧的な声。だがドディは恐れはしない。

 そのとき。

「しばらく考える時間をくれませんか?」

 同じくホァンロンの術により吹っ飛ばされたシィバが起き上がりながらそう答えた。

「……ふむ。ドディよ、お前はどうなのだ?」

 ホァンロンの問いにドディは暫し考えて。

「考えがまだまとまらねえ。シィバの言ったとおり……猶予をくれ」

 口の端に笑みを浮かべるホァンロン。

「ふむ。いいだろう。だが、この娘は人質として捕らえておく。明日の正午までにフォルシナのランス宮殿のヴェルヒャー殿下の部屋に来い、いいな」

 そこではたとドディは気づく。

(フォルシナは王位継承争いがあったよな、それ絡みか……)

「分かったよ、明日までに答えを出すぜ」

(シィバに何か策があるかもしれんし、ここはこう答えておくか)

 ドディの思惑に気づいてるのかどうか分からないが、ホァンロンは頷いた。

「よかろう、ならばこの娘は人質としてもらっていくぞ」

 不安げな……いや、不満げな顔をしているジャンヌ。

「ちょっと……どうなるのよ~~~~」

 王宮の方に向かうホァンロン。そして白いローブの男にひっぱられてつれられていくジャンヌ。

(さて、これからどうするか……)

 とりあえずドディとシィバはグローリアに戻っていった。




 ――ランス王宮の一室。金髪碧眼で、背のひょろっと高い、そして白いローブを着た男(そう、これはジャンヌを捕らえた男と同じ)が、王家の人が着るような高級な衣服を着た十八歳くらいの少年にこう話しかける。

「ヴェルヒャー殿下。経過は順調です」

 そう、男が話しかけたのはこの国の第一王子ヴェルヒャー=バルボアだ。

「うんうん、頼りにしているぞ、レン!」

(さて、あの男は――ドディはどう動くか)

 ヴェルヒャーの声など聴こえないかのように、そうドディたちの行動を考えるレン。




「さて、どうするんだ? シィバよ? 地図を素直に渡すのか?」

 さっそくその話を切り出すドディ。料理屋『グローリア』には緊張した空気が流れている。

「とりあえず、援軍を呼びましょう」

 懐から赤い宝石のはまり込んだペンダントを取り出すシィバ。その宝石に声をかける。

「ナターシャ? ナターシャ? います?」

 そのナターシャというのはこの国の国会の衆議院議長であり、かつてのこの国で起きた革命を起こした、ガトー・ヴァイアの娘だ。

「そろそろ来るころだと思ってましたぁ~」

 おっとりした声がペンダントから聞こえてくる。

 ドディはある程度この状況が彼らの計算のうちということに気がつく。

「ドディさんに代わってもらえます?」

 代わったドディは、まず思っていたことをナターシャに訊く。

「ある程度あんたらの計算のうちってことのようだな?」

「気がついてらしたんですね。王位継承問題の話からしましょうか?」

 ナターシャの言うところによると、この国の王宮では、長男のヴェルヒャー王子派と次男のシェリン王子派に分かれて争っているらしい。王室の権威を復活させ、議会を軽視しようとするヴェルヒャーは貴族たちに評判がよく、貴族院の議長であるシィバが背後について、議会を重視するシェリン王子は、市民に評判がいい。

「で、その地図は古のマダールの神、レダ神の魂が封印されているという宝玉のありかが書かれているというわけなんです」

「なるほどな――で、それに俺たちは巻き込まれたってわけだな」

「とにかく、こちらの魔術師の動きで、ジャンヌさんの居場所は分かっています。地図を渡さずに、ジャンヌさんを助ける方法はありますわ」

「あんたらの計算にもあちら側の策略にも踊らされるのは気にいらねえが……そっちの言うようにしたほうがいいんだろうなぁ」

「そう考えたほうがいいですわね。ジャンヌさんは、王宮地下の牢屋に囚われています。で、助け出す方法ですが――」

 その方法とは、この街に流れる地下水路を利用する方法だった。

(とにかく――ジャンヌを助け出して、難しいこと考えるのはそれからだ)


とりあえずgdgdになっておりますww

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