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ep.9

 惑星E-1032(向こう)へ行く宇宙船の最終便が発射する直前、私、いや、俺は、ヤツの胸倉を掴んでいた。

「いいか! 俺はこの穢れた大地で一生、生きていく!」

 声が震えていたかもしれないが、別に構わない。俺はそいつを宇宙船の中に力任せに突き飛ばす。最後の宇宙船は轟音を立てて、この惑星から逃げていく。それを見ると、どうしようもなく笑えてくる。そして、どうとでもなればいい、と吐き捨てた。


 向こうに未来は残っていない。それは、俺しか知らない事だ。

 人間は、『どこかに救いがある』と信じることでしか生きられないらしい。俺はその役を、もう降りた。俺だって、救いがあると信じる側で居たかった。だったら、すべてを終わらせることでしか、自分を救えないと思った。だから俺はこんな事をした。重荷が下りてなお機能を取り戻せないこの体で、もう見ることは無い殺風景を自身の目に焼き付け、祈るように目を閉じる。そして家路についた。


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