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ep.5
夏の夜の空気は重く、ぬるい。歩くたびに着心地など考えていないような防護服の内側の人工繊維が、肌に纏わりついて気色悪い。人気のない夜道を歩く私の足音だけがやけに大きく響く。
近頃、つくづく思うのだ。
今の同僚たちを騙してまで、私はヤツの言いなりにならなきゃいけないのか。
いつまで、こうしていなきゃいけないのか。
いつから私は変わってしまったのだろうか。
責任を取って死のうと思っていたのに、誰かに命令されて生きさせられて、
誰かのシナリオ通りに動かされて、掌の上で転がされて。
もうこんな人間たちに対して匙を投げたいのは俺もなんだ、と。




