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森でスローライフ! 転生したら魔法も剣も全部できた件  作者: ゆう


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【第4話 森での生活が本格的に始まる】

【第4話 森での生活が本格的に始まる】


朝の光が窓から差し込み、ユウはゆっくり目を覚ました。

昨日作った木の床は、土の床よりもずっと暖かい。

枕も柔らかく、ちゃんと眠れた。


「うん、よく寝たな」


ユウは体を伸ばし、外へ出た。

森の空気は少し冷たく、胸がすっとする。

鳥の声が重なり、静かな風が葉を揺らしている。


「今日もいい天気だ。やることもたくさんある」


家はもう形になっているが、生活するなら

まだ必要なものがいくつもあった。


「まずは机と棚だな。物を置く場所がないし」


ユウは家の横に置いておいた木材に手を当て、

魔力を流して形を整えた。

板がなめらかになり、サイズも自動でそろっていく。


「この幅なら机にできそうだな」


板を数枚並べると、自然にぴったりと組み合わさり、

平らな天板ができた。

脚になる部分も魔力で作り、四本を同じ長さに整える。


「よし。あとは固定するだけだな」


天板に向けて魔力を送ると、脚がゆっくりとくっついた。

数秒でしっかりとした机ができ上がる。


「おお、いいじゃないか。見た目もきれいだ」


次に棚を作る。

本を置く予定はまだないが、物を入れておけるだけで便利だ。


細い板を何本も作り、家の壁際に立てる。

魔力の流れに合わせて板は動き、

高さの違う三段の棚ができた。


「使いやすそうだな。これで物の置き場所ができた」


家の中が少しずつ整い、

“生活のための空間”になっている実感があった。


「さて……次は食料だな。そろそろ何か食べたい」


ユウは森の小道を歩いた。

小川の近くでは食べられる草や実が多いはずだ。


しばらく歩くと、赤い実がついた低い木を見つけた。

手に取ると甘い香りがした。


「これは食べられるやつだ。頭の知識が教えてくれるのは助かるな」


実をいくつか採り、小川へ向かった。

透き通った水が流れ、魚が何匹か泳いでいる。


「魚も捕れそうだな」


ユウは水面に手を向けて魔力を少し使った。

水が静かに動き、魚が一匹近くに寄ってくる。

そのまま水を固めてすくい上げた。


「よし、これで食事になるな」


家に戻って調理を始める。

魔力を使って火を起こし、魚を焼く準備をする。

小石を平らにして簡単な焼き台を作ると、

火が安定して明るく揺れた。


「便利だな。火起こしもすぐできる」


魚の身は白く、焼けるにつれて香りが広がった。

採ってきた赤い実も横に置き、軽く魔力で洗う。


「よし、できた」


ユウは焼けた魚をひと口食べた。

身がふわっとしていて、思ったよりおいしい。


「うまいな……森の食材ってこんなにいけるのか」


赤い実も甘く、少し酸味があって食べやすい。

簡単な昼食だったが、満足できた。


食後、ユウは家の前で少し休憩した。

森の風が気持ちよく、鳥の声がよく通る。


「ここ、本当に落ち着くな」


ふと、小川から流れてきた水の音が大きくなった。

気になって近づいてみると、

倒れた木が水路をふさいで流れの一部を変えていた。


「このままだと、雨の時にあふれるかもしれないな」


ユウは倒木に手をかざし、魔力でゆっくりと持ち上げた。

木は軽く浮き上がり、川の端へ動いていく。

流れが元通りになると、水は滑らかに流れ始めた。


「このほうが安心だな」


魔力で体力を使いすぎる感じもなく、

作業はすぐに終わった。


「それにしても……こういう作業、なんか好きだな」


家を作り、食べ物を集め、森を少し手入れする。

今までやったことがなかったのに、

どれも自然に楽しめている。


「明日は畑を作ろうかな。食材も自分で育てたいし」


そうつぶやくと、少しワクワクした。

森の生活がどんどん楽しくなってきている。


家に戻ると、夕方の光が窓から入り込み、

床に温かい影を落としていた。


「今日はよく動いたな。けど、いい一日だった」


ユウはベッドに腰を下ろし、

完成したばかりの家を眺めた。


ここから先、どんな生活が待っているのか。

それを考えるだけで楽しかった。


こうしてユウの森での生活は、

本当に本格的に始まった。

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