【第一話 本当に転生したみたいだ】
【第一話 本当に転生したみたいだ】
風がゆっくりと流れていた。
大きな木が立ち並び、静かな森の近くの草原にユウは倒れていた。
「……え? ここどこ?」
ユウはゆっくり体を起こした。
見たことのない景色。聞きなれない鳥の声。
どう見ても、いつもの世界ではない。
「まさか……転生ってやつか?」
そう言っても、自分でも信じきれない。
でも、体は軽く、気分も不思議と落ち着いていた。
立ち上がった瞬間だった。
頭の中に、今まで知らなかった知識が流れ込んできた。
「え、なにこれ……?」
剣の振り方。
魔法の使い方。
薬草の見分け方。
家を建てるための道具の扱い方まで。
知らないことばかりなのに、
なぜか“できる気がする”。
「本当に……転生したんだな。しかも、いろいろ使えるみたいだ」
ユウはあたりを見回した。
森の近くは静かで、空気がきれいだった。
風が気持ちよくて、深呼吸したくなる場所だ。
「いいところだな……」
さっきまで不安だった気持ちが、少しずつ消えていく。
知らない知識が増えていくことも、意外と楽しく感じた。
「なんか……ワクワクしてきたぞ」
ユウは森の方へ歩きながら、ふと思った。
「せっかくだし、この近くに家を建ててみようかな」
理由は特にない。
ただ、この景色が気に入っただけだ。
「魔法も剣も使えるみたいだし、家くらい作れるだろ」
ユウは軽く笑って、木々の中へ足を進めた。
こうして、森のそばでの生活が始まろうとしていた。




