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これから広まるかもしれない怖い作り話  作者: 井越歩夢


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其の九十弐「顔認証」

これから語るのは、もしかするとこれから広まるかもしれない

いや、広まってしまうかもしれない「怖い作り話」です。


全部で壱百八話。どれも短い物語です。


しかしその中には、時に背筋に冷たいものが走り抜け、

時にひそひそと誰かの囁きが聞こえ、

時に見てはいけないものが見えてしまうこともあるかもしれません。


そしてひとつだけ、どうしても言っておきたいことがあります。

これらの話は、すべて作り話です。しかし、ただの作り話ではありません。


この話、本当なんです。



数年前から、さまざまな場所・さまざまな場面で採用されている「顔認証機能」。


先日、病院の受付で使いましたが、よくできたものだと感心しました。


マスクをつけていたため最初は「確認できません」と認証されませんでしたが、

マスクをずらして口元まで見えるようにすると、すぐに反応してくれました。


若いころほどひどくはありませんが、私は花粉症です。スギ花粉です。

そのため、この日は少し早めに注射と薬をもらいに病院へ行ったわけで――

毎年春の訪れを「くしゃみ」「はなみず」「目のかゆみ」で感じるのも、もう慣れた……

ある意味、花粉症ベテラン?です。


◇◆◇


それはそれとして――


その日の帰り道。

いつものように怪談系のYouTube動画をバックグラウンド再生し、

ラジオ感覚で聞き流しながら、愛車・赤のWRXを走らせていると、

ふと耳に引っかかる話が流れてきました。


「顔認証機能にまつわる怖い噂」


ああ、なんてタイムリーな話題!と。

私は、ちょうど近くに見えたコンビニの駐車場にWRXを停め、

スマートフォンの画面をONにして、その話を流すことなく、じっくりと聞くことにしました。


それは、こんなお話でした。


◇◆◇


顔認証がうまく機能しない経験はありますか?

もし、毎回顔認証をするときに「確認できません」と

何度も機械に言われてしまう方は、一度お祓いに行くことをおすすめします。


“なぜなら、あなたの顔の上に、別の顔が重なっているから”


いつもはあなたの肩に乗っている“それ”が、この時ばかりと認証の邪魔をするかのように、

あなたの顔の前に重なり、機械に「あなたの顔ではない、別の顔」を認識させているのです。


◇◆◇


なるほど……そういう考え方もあるのか。


顔認証の邪魔をする背後霊は、どんな気分でそれをしているのでしょう。

悪戯な気分? 恨めしい気分?


悪戯な気分なら、何度も認証されないことに怪訝な顔をするあなたを見て、

ケラケラと笑っているのかもしれない。

恨めしい気分なら――「受付を通さないよ」という意思表示?


どちらにしても、霊が認証の妨げをしているとしたら、それはそれで困ったものだなぁ、と。

そんなことを思いながら、私はアイデアノートにサラサラッとメモを取り、それを閉じて一息つきました。


今日の私は、最初「マスクをしたまま」だったから顔認証が承認されなかった。

でも、それをずらして再度認証したら、すぐに反応してくれた。


だから、私は大丈夫。


……でも、そういえば。


以前に一度、マスクを外しても何度も認証されず、

仕方なくパスワード認証したことがあったっけ――


この話、本当なんです。

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