表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
39/42

◆SS1 妊娠!?

ちょっと、おまけの話です。

四話ほどになります。毎日投稿していきますね!


「……え?」


クラーラの言葉を聞いて、私は思わず聞き返してしまった。


「おめでとうございます! フランシェ様、お腹に赤ちゃんがいるわ!」


クラーラが満面の笑みで私の手を取り、興奮気味に告げる。

最近は私の呼び名がお嬢様ではなく、フランシェ様になったのだ。あ、いやそっちはどうでも良い!

へ? 赤ちゃんですって!!


「そ、そんな……本当に?」


信じられない気持ちで、お腹に手を当てた。


まだ目立つ変化はない。けれど、確かに、最近は少し体がだるく感じたり、食の好みが変わったりしていた。


「ふふ、私はすぐに気づきましたよ。だって、最近のフランシェ様は、妙にジャガイモばかり食べたがるし、朝に少し気分が悪くなることもあったでしょう?」


「そ、そうかもしれないけど……」


「それに、ターシュエルの医療係の人たちも、同じ診断でしたよ!」


クラーラが胸を張る。


「フランシェ様、本当におめでとうございます!」


「……ありがとう」


じわりと喜びがこみ上げる。


(私、本当に……お母さんになるんだ……!)




「グララド様……」


私は、グララド様の執務室へと向かった。


報告書を確認していた彼は、私の顔を見て微笑む。


「フランシェ、どうした?」


私は少しだけ緊張しながら、彼の前に立つ。


「……あの、実は……」


一呼吸おいて、私は伝えた。


「赤ちゃんが……できたの」


その瞬間——


ガタン!!


グララド様が、立ち上がる勢いで椅子を倒した。


「なっ……!」


「ちょっ、椅子が!」


私は慌てて、彼の倒れた椅子を戻そうとするが、彼はそれどころではない様子だった。


「フランシェ……本当に?」


「ええ、医療係の診断でも、間違いないって」


「そうか……!」


グララド様は、一瞬呆然とした後——


「俺たちの……子供が……!」


そう言って、私の肩を優しく抱きしめた。


「よかった……本当に、よかった……!」


彼の大きな手が震えているのがわかる。


「でも……どうしよう……」


「え?」


「出産経験のある者を呼ぶべきか? いや、それでは、もしもの時に間に合わないかもしれない。ターシュエル領には貴族の出産に詳しい者が少ないし……!」


(あれ、何だか急に不安になってきたみたい……?)


「フランシェ、大丈夫か? 何か気になることは? 体調は? 何か食べたいものは?」


グララド様は、急に私の腕を取って、まるで診察でもするかのように私を見つめた。


「そ、そんなに慌てなくても……」


「いや、これは大問題だ!」


彼は真剣な顔をして続ける。


「出産は命に関わる。ターシュエル領内に専門家が足りないなら、王都から助産婦を呼ぶべきか……いや、待て、誰が信頼できる? 万が一、医療の不手際があったらどうする……?」


「グララド様、少し落ち着いて」


「落ち着いていられるか!」


彼の青い瞳が真剣すぎて、私は少し笑ってしまいそうになった。


「大丈夫よ、ちゃんと準備すれば問題ないわ」


「しかし——」


「だからこそ、王都から母を呼ぶことにしましょう」


その言葉に、グララド様は一瞬固まった。


「お、お義母上を……?」


「ええ、母なら安心だし、貴族の出産経験もあるわ。それに——」


私はくすりと笑う。


「母一人だと不安でしょうから、クラーラのお母様も一緒に来てもらうことにしましょう」


「クラーラの母上?」


「ええ。実は、クラーラのお母様は昔、母の専属侍女だったのよ」


グララド様は、驚いたように目を見開いた。


「そうなのか……?」


「ええ、だから母が妊娠した時も、クラーラのお母様がずっと支えてくれていたの」


「なるほど……」


グララド様は腕を組んで、しばし考え込んだ後、頷いた。


「確かに、それなら安心できそうだな」


「でしょう?」


「すぐに迎えを送る手配をしよう」



数日後、王都に使いを送ったところ、母とクラーラのお母様はすぐに準備を整え、ターシュエル領へ向かうことになった。


「いやぁ、まさかこんなに早く孫の顔を見ることになるとはねぇ!」


母のエレオノールは、馬車の中からにこやかに手を振っていた。


「お母様!」


私は急いで駆け寄る。


「ふふ、フラン、元気そうで何よりだわ」


母は相変わらず優雅な笑顔だった。


そして、その後ろにいたのは——


「本当に、相変わらずですね、エレオノール様」


上品な微笑みを浮かべた女性。


クラーラの母、マルグリット・ド・モントルイユ夫人だった。


「お久しぶりです、マルグリット様」


「お久しぶりです、フランシェ様。おめでとうございますね。でも走ってはいけませんよ。もし、こけたりしたら大変です」


彼女は母と違い、どこか落ち着いた雰囲気の女性だった。そしてさっそく怒られてしまった。


「フラン、あなたの体調管理は、私とマルグリットがしっかり見ますからね」


「ええ、お願いします!」


母が来てくれたことで、私の心はすごく安心した。


(これで、大丈夫……!)


しかし——


「いやぁ、せっかくだから領地の様子も見て回りたいわねぇ」


「エレオノール様、まずはフランシェ様の体調が最優先です」


「え、ええ。そうねぇ、でもまぁ、せっかくの機会だし」


「お義母上……」


グララド様が、なんとも言えない顔をしていた。


(そういえば、お母様がグララド様と会うのは、結婚以来かも……?)


なんだか、これからまたちょっとした騒動が起こりそうな気がする。


——妊娠発覚からの騒動は、まだ始まったばかりだった。


ぜひ、ログインしてブックマークと下の★★★★★から評価をお願いします!

つまらないと思った方は、★一つでも評価つけてくれると勉強になりますので、

よろしくお願いします


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ