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第5話

 レフの森へ入っていき、目的の場所まで歩いている。


 それにしてもさっきは落ち込んだなぁ。


 数多くフラれてきた俺だけどそこまで落ち込まなかった俺がここまで落ち込むのは相当な事だからな。


「おい、まだ落ち込んでるのか」


「別に落ち込んでねぇから」


 俺がまだ落ち込んでると思ってるのか?コイツは。


 俺に落ち込んでる暇なんかある訳ねぇから!


 俺はなんとしてでも最低でも付き合って、最高は結婚までいきたい。


「ごめんね、変な事言っちゃって」


 マイちゃんにも気を遣わせてしまっていたのか俺は。


「本当に全然気にしてないから。それに悪いのは全部レンだから」


「おい」


 そう、全部レンが悪い、顔がムカつくレンが全部悪い。


 もし、このやりとりが女の子だったらツンデレで可愛いなぁと思うけどレンだからなぁ。


 そもそも何で同じ部活に同級生がレンしかいねぇんだよ。


「気を抜くなよ、特にお前」


 レンは俺の方を向く。


「魔力が無いお前が1番死ぬ可能性があるからな」


「お前の方こそ死にそうになってもこっちは何もしてやらねぇからな」


「別にお前なんかの助けなんかいらねぇよ。それになぁ、魔力が無い奴に助けてもらうくらいなら死んだ方がマシだ」


 どんだけプライド高いのコイツ?


「ジンくんって本当に魔力が無いの?」

 

「ん?そうだよ」


「え、じゃあどうやってオズマサール学園に入ってこれたの?魔力無しだと問題無用で入れないと思うんだけど」


「俺の師匠が推薦してくれたんだよ」


「推薦で入れるものなの?ジンくんの師匠はすごい人なの?」


 あのクソババアってすごい奴だったか?帰ったら聞いてみよ。


「すごいかどうかは分からないけど俺より100倍強い人だよ」

 

 あいつクソババアのくせに強すぎるんだよ!俺より50くらい年上だぞあいつ。


「もしかしてサテライトの人?」


 サテライトは犯罪をする奴ら捕まえまくる超実力者集団の事だ。


 俺が前世でいた頃で言うと警察みたいなやつだな。


「かもしれない。今度聞いてみる」


 あれだけ強かったらサテライトの可能性は高いからな。


「ジンくんのその剣ってちょっと変だよね」


 マイちゃんは俺の懐に差さっている刀を指差した。


「ああ、これ?これは刀って言う物だよ」


「かたな?」


 マイちゃんはキョトンと首をかしげる。


「俺魔力無いから武器と魔力の相性が、とかそういうの関係ないからとりあえず切れ味が良くて頑丈なやつが必要だからこの刀にしたんだ」


 レンとかが持ってる武器は相性とか、自分が持ってる魔力がの総量がどうとか、色々面倒くさいが、魔力がない奴からしたらそんなの関係ないから。


 俺からしたら武器なんか折れなければ良いから。


 ていうかさぁ、俺普通に女の子と会話してない?してるよね?俺いつからこんなモテるようになったんだ?


 長かった…。


 やっとここまでこれたんだな。


 84回もフラれた甲斐があったぜ。

 

 そう考えるとなんだか涙が出てくるぜ。


 


 …ん?


 ……ん?


 あれ?本当に涙が出ていないか?


 ていうか目痛いんだけど。


 いや、めちゃくちゃ痛いんだけど。


「イッテェ!痛い痛い痛い痛い!なんで目が痛いの?」


 これは殴られた痛さじゃなくて、染みる痛さだ。


「キャー!!なにこれ!?」


 マイちゃんの悲鳴が聞こえてきた。


「え、え、何が起こってるの?」


 俺は目がやられてしまって何が起こっているのか全く分からない。


「見ないでぇ〜!!」


 み、見ないでぇ?


「いや、俺見れないんだけど!目が痛くて見れないんだけど!」


「やだっ、なんかヌメヌメして気持ち悪い」


 今俺の目の前でマイちゃんが見てほしくない状況になっている。


 俺は見えなくても今がどういう状況かを察する事ができた。


 絶対にラッキースケベが起こっている。


 ヌメヌメして気持ち悪いって言っていたから触手系のモンスターにマイちゃんが捕まって恥ずかしい格好しているに違いない。


 なのに!


 今俺は目がやられてせっかくのラッキースケベが見れない。


 一体何のために俺は昨日1人で作戦会議をしたって言うんだ!


 今俺がやるべき事はただ一つ、急いで顔を洗ってまたここに戻ってくる事だ!


「うおおおお!」


 俺は走った。


 ラッキースケベを見るために。


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