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第35話


 すっかり忘れてたよ、俺って異世界に転生してるんだったわ。


 何この異世界でしか見ることが出来ない街の風景は。


 もしかしてギルドみたいなのがあったりするのかな?


 あったらクエスト受けてみたい気持ちがある。


 受付嬢の人と話してみたい!受付嬢の人って主人公に惚れやすいから俺にもチャンスがあるかもしれない。


 あ、今別の女の子の事考えてたでしょと言わんばかりの視線をハルさんから感じたような気がした。


 全く、困った娘だな。


「朝何か食べました?」


「食べてない」


「じゃあ何か食べに行きます?」


「そうね」


「何食べたいみたいなのってありますか?」


「う〜んせっかくならここの名物食べてみたいな」


「そうですね!近くにいる人に聞いてまわりましょう」


 俺は近くに会った屋台にいるおっちゃんに話しかけた。


「おっちゃんそれちょうだい」


 物を売ってる人にタダで聞くのはちょっと気が引けるから売っている物を買う事にする。


 コンビニに行ってトイレだけ使うのも申し訳ないから飲み物を買って行くみたいなものだ。


「お、ミカンか?」


「うん」


「あいよ」


 おっちゃんが屋台で売っていたのはリンゴらしき物だった。


 このリンゴらしき物はこっちの世界では名前がミカンだからすごくややこしい。


「ねぇこの近くに美味しいご飯屋さんってある?」


「ここをまっすぐ行って左に曲がった所にメリーっちゅう飯屋が美味いぞ」


「ありがとうおっちゃん」


 俺はハルさんの所に戻りながらおっちゃんに手を振る。


 おっちゃんも気にすんな、と手を振り返してくれた。


「ここをまっすぐ行って左にメリーっていう美味しいご飯屋さんがあるらしいです」


「ありがとう」


「いえいえ。じゃあ行きましょう」


 そういえば異世界のご飯屋さんってどれだけ元にいた世界と違いがあるんだろう?


「ジンってどんな人とも仲良くなれる人?」


 多分さっきのおっちゃんに話しかけたところを見てそう思ったんだろう。


「そうなんですかね?学園内では嫌われてるのでよくは分からないですね」


 転生前はコミュ障だったけど転生してから何故か普通に話すことが出来るんだよな。


 全然初めて会った人にも結構気さくに話すことが出来るけどそれを発揮する場所がすごく少ない。


 転生後は師匠とずっと稽古してたし、オズマサール学園に入ったら即嫌われたし、女子にはフラレまくるし、俺のコミュ力を発揮することが出来ない。


「嫌われてる理由って魔なしだけ?最近は嘘つき魔なしって聞いたことあるけど」


「情報が回るのが早いですね…。嘘はついてないですよ、だけどついた事になっちゃっただけですよ」


 あれで嘘つき呼ばわりは俺が可哀想だよ。


「1番最新だと寝坊嘘つき魔なしだったはず」


「それはちょっと情報が回るのが早すぎますね」


 寝坊は誰が言ったんだよ!人数絞られるぞ。


 

 ***



「美味しかったね」


「そうですね、まさかガーメルがここまで美味しとは思いませんでしたよ」


 あの凶暴なダチョウがこんなに美味しいとはな。


 それならあの時本気出して捕まえておけば良かった。


「次どうします?」


「私グラナミ闘技場に行ってみたい」


「グラナミ闘技場?」


「さっき聞こえてきたんだけどグラナミ闘技場で一対一の最強を決めるのをやるらしいんだよ!」


「そ、そうですか」


 ハルさんがイキイキしてる。


「アツい闘いが間近で見てみたい!」


 ハルさんが俺が元いた世界にいたら絶対に格闘技にハマったな。


 まぁ俺も男の子だし一対一の最強は興味あるかな。


「じゃあグラナミ闘技場にレッツゴー!」


「ゴー!」


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