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第33話

「……」


「……」


 あれから1時間くらい経ったけどお互い無言である。


 いや、俺は話したいと思ってるけどさっきうるさいって言われちゃったからなぁ。


 これから3日間は一緒にいるのに相手の事気にならないのかな?


「ちょっと良い?」


「え、あ、はい!」


 え〜まさかのハルさんから話しかけてくれました。


 もしかして俺の誠意ある姿勢に心を動かされたのかな?


 やっぱり人を動かすのは心だよなぁ。


「どうして貴方なの?」


「へ?」


 予想しない言葉に俺は戸惑う。


「だからどうして私の護衛が貴方なのって聞いてるの」


「どうして…、と言われましても。俺は任された側なので」


 別に俺が立候補した訳じゃないからな…。


 そんなに護衛が俺で不服なの?師匠だったら稽古始まっちゃうかもしれないんだよ?


「はぁ〜貴方魔なしなんでしょ?」


「はぃ…」


 何処からその情報が出回ってるの?俺が魔なしなのみんな知ってるの?


 急にそんな事言われたから返事もちっちゃくなっちゃうよ。


 そんなに魔なしってダメなの?もう俺はゼロからじゃなくてマイナスからのスタートが通常になるな。


「どうして魔なし君が私の護衛なの?」


「いや〜人が少なかったんですかねぇ」


「どうして10年に1人の天才のシューヤじゃないの?」

 

 部長の10年に1人の天才も有名なんだ。


 俺の魔なしと部長の10年に1人の天才、どっちが有名なんだろう?


「部長は学園祭の種目にも出るので、そうですね、出ない俺がこっちになったのかもしれないですね」


 部長もレンも学園祭の種目に参加するからなぁ。


 そもそも俺に聞くなよ、何度もサテライトの人たちに聞くチャンスがあっただろ。


「はぁ〜本当に貴方で大丈夫なの?」


「もちろん全力で期待に応えるつもりです」


「別に期待なんかしてないから」


 なにこの女?


 こいつ人としてどうなの?俺は間違ってると思うんだけど、どう?


「そ、そうですか」


 いや、そこは強く出ていい所だろ。


 全く情けない男だよ。


「でも、ちゃんと俺も強いですから」


「ふぅ〜ん」


 信じてないのは別にいいけどバカにしてるよな?


「いやいや信じてくだ…」


 なんかちょっと外が騒がしいな。


 すぐに窓を開けて外の確認をする。


 ん?遠くに何かの大群がこっちに迫って来ている。


 目を細めてどんな奴見てみるとダチョウみたいな奴らが100匹くらいが横並びになってこっちに向かってる。



 ドドドドドドドドッ



 地鳴りがここまで響いてくる。


「なぁあれ何か分かる?」


 俺は身を乗り出して馬車を御している人に聞く。


「あ、あれはガーメルの大移動だよ」


 へぇあのダチョウみたいなのガーメルって言うんだ。


「あれって倒したら困る感じの奴ら?」


 おっちゃんは首をブンブンと横に振る。


「じゃあこのまま進んで」


 そう言い残し窓から飛び出してガーメルの所に向かった。


 カッコよく飛び出したけどこれ着地難しくない?


 あ、やばっ。


 ゴロンゴロンと2回転してようやく止まることが出来た。

 

 主人公とかレンみたいな奴だったら綺麗に着地も出来たんだろうなぁ。


 そう思うと俺って本当に主人公特性が無いんだと実感する。


 そんな事は今に始まった事では無いからすぐに切り替える。


 

 ドドドドドドドドッ



 それにしてもすごいな、例えが合ってるか分からないけど津波が押し寄せてるみたい。


 さっさとコイツらを追い払って、俺はハルさんといっぱい話さないといけないんだよ。


 でも、コイツらもただ生きてるだけだから気絶させるくらいで良いだろう。


 あと、俺たちの馬車が通る道さえ開けてくれたらこっちとしては文句はない。


 ワッフルを倒した時よりは手加減をして刀を振る。


 斬撃がガーメルに向かっていく。


 俺の予想と違いガーメルは斬撃を機敏にかわしていって、津波が二つに裂けた。


 ま、まぁ予想とは違ったけどそのまま行ってくれたら馬車には当たらないだろう。


 馬車の方を見たらハルさんが窓からこちらを見ていたから満面の笑顔とピースをしてみせた。

 


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