表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/44

第29話

「で、なぜファントムが学園祭にやってくるのかを言ってなかったね」


 そうだよ、なぜその極悪犯罪集団が学園祭を襲うのかが分からない。


 もしかして俺と同じで学園祭に恨みがあってむかついて襲うのか?


 いや分かるよ、あんなリア充共がワイワイはしゃぐだけのイベントにムカつくのは。


 だけどそれで無関係の人を襲うのは違うと思うんだよ俺は。


「実はこの娘、ハルくんを攫うことが目的らしい」


 どうやら違ったみたいだ。


 学園長は立ち上がりそっくりな二人の右の娘の方の肩に手をかけた。


「ファントムはハルくんの魔法に興味を持ってるみたいで、学園祭の日に攫おうとしているんだ」


「なぜわざわざ学園祭の日にファントムは動こうとしてるんですか?」


「それが分からないんだ。もしかしたらあえて人が多い時を狙っての事かもしれない」


 まぁ俺らじゃ犯罪集団の考えてる事なんか分かるはずもない。


「話を少し戻すが、シューヤくんとレンくんには隣にいるアキくんの護衛を頼みたいと思っている」


 そっくりの左側の方はアキちゃんと言うらしいが双子なのか?


 双子だとしてどうして狙われてるハルちゃんじゃなくてアキちゃんもいるんだ?


「どういう事ですか!ファントムに狙われてるのは右側の方じゃないんですか」


 俺が気になってた事を気に食わないレンに言われてしまった。


 相変わらずムカつく。


「まぁ落ち着いて、今から作戦を伝えるから。作戦と言っても難しくは無いんだけど、アキくんを囮にしてハルくんを守る」


 囮?


「学園祭の三日間はハルくんにはどこでも良いからファントムに気づかれないくらいなるべく遠くの場所に行っておいてもらう。そして、ハルくんにそっくりなアキくん攫うつもりのファントムを捕まえるつもりだ」


「別にそこまでする必要はあるんですか?」


「いや、これは世界の危機にすらなりうる事なんだ。だから最悪ハルくんではなくてアキくんが攫われてもこの作戦は成功と言っても良い」


 そう言い終えた学園長は下を向く。


 その表情からは悔しさが滲み出ている。

 

「だからと言ってこちらは誰一人として犠牲を出すつもりは無い!」


 そう力強く宣言をする。


 俺は今まで黙って聞いてたけどすごくガッカリしていた。


 まさか師匠がこんな作戦を容認していた事に。


 師匠は誰よりも強いのに極悪犯罪集団なんかにビビってることが何よりも許せない。


 師匠なら極悪犯罪集団が何人いようが絶対に負けないのに。

 

 なのに、なのにどうしたんだよ…。


「作戦の続きだが二人には三日間囮とは言え、ちゃんとアキくんの護衛をしてもらう。すぐにファントムに捕まって囮だとバレてしまったらファントムに逃げられる可能性があるから全力でアキくんを守ってくれ。サテライトの人達にはファントムを捕まえる組と生徒及び観客の被害を抑える組で分けられてるからそれぞれ自分の仕事を確認しておいてください」


 俺以外の人達は覚悟を決めた様な顔をする。


 ん?俺は?俺だけ仲間ハズレなんて事ある?


「ジンくんはハルくんに着いていってくれ。君が一番重要な仕事だ、何も無ければ無かったでそれで君の仕事は完璧だ。遊んでくれても良い、こっちの事は気にしなくいいからなるべくファントムから遠くの場所に行ってくれ」


 

 俺だけ簡単だな。


 

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ