第12話
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあおおおおおおおおおおおおお」
「クゥーン」
ペットの犬は悲しそうに鳴く。
「またフラれたああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
俺はペットのモフモフしている体をクッション代わりにしている。
自分の体をクッション代わりにされてペットの犬は困った顔をしている。
やっぱり自分に向かって叫ばれると変な感じになるものなのだろうか?
ペットには悪い事しているのだろうが、こいつにも非があるのだからこれくらいは許してほしい。
いや、こいつに非はない。
あるとしたらレンのクソ野郎だけだ。
あいつさえいなかったら今頃マイちゃんは俺の彼女になってたのに!
俺はこの世界に来て何回フラれればいいんだよ!
俺の知ってるアニメとラノベだったらもう1人2人はヒロインが出来てるのに!
俺はハーレムが欲しいんじゃなくて、たった1人の彼女が欲しいだけなんだよ!
弱いのに彼女が出来ないのは分かるけど、俺めちゃくちゃ強いのに彼女が出来ないのは納得が出来ない!
レンのハーレムクソ野郎より俺の方が絶対に幸せに出来るのに。
「レンとマイちゃんのバカ野郎おおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「クゥーン」
「うるさい!」
また師匠に怒られてしまった。
これ以上うるさくしてしまうと本気で師匠に怒られてしまうからもう叫ぶことは出来ない。
「そういえばお前名前はあるのか?」
俺はこいつの事を犬と呼んでるけど名前はあるのだろうか。
「くぅーん?」
犬は俺の言葉を理解しているのかは分からないが首を傾げた。
まぁ無いか、無いなら俺が名前をつけてやらないとな。
「お前の名前俺が付けてもいいか?」
「バウ!」
可愛い。
こいつはかっこいいのは見た目で分かるが、何より可愛いから可愛い名前の方が良いかもしれない。
………。
いや、名前をつけるって難しいな。
こいつの今後の事を考えてしまうと軽く考えられない。
そういえばマイちゃんがこいつの名前を言っていたような気がするような、…しないような。
「自分の名前の事は何か知ってるか?」
「?」
犬は首を傾げたため知らないって事でいいだろう。
じゃあ俺が新しくつけても何の問題も無い。
俺がこの世で1番可愛いと思う名前にしよう。
「今日からお前の名前はワッフルだ」
「バウッ!」
「おー気に入ってくれたか?」
俺は今まで生きてきて1番可愛い名前はワッフルだと思っている。
可愛いし、美味しいし、甘い、完璧の名前だと思わない?
「じゃあ今から散歩しに行くか、ワッフル」
「バウッ!」




