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AI屋台 第28話「ケロッと」

作者: エドゴン

【1.序章】


楓「私は楓、女性です。うつ病を長年抱えていて何もやる気が起きず毎日がつまらないです。頭も痛く、寝てばかりいます。」


楓は今日も寝ていた。


すやすや


寝ているところに母親がやって来た。


母親「寝てばかりね。ほら起きなさい。たまにはお買い物に行くわよ。」


楓は叩き起こされた。そして車に乗り込んだ。


母親「たまにはドライブもいいでしょ。スーパーでお買い物をするわよ。」


母親の運転する車でスーパーまでの短い距離をドライブした。


母親「今晩は何にしようかしら。何が食べたい?」


楓「特に食べたいものがないわね。眠りたい。」


楓と母親はスーパーに入って行った。そして楓の目に飛び込んできたのはチョコレートだった。


楓「チョコ。」


母親「あらまあ。夕飯の食材を買いに来たのにおやつ?仕方がないわね。チョコも買ってあげるわ。」


楓は少しテンションが上がったような気がした。


【2.ケロッと】


スーパーでお会計を済ませて二人は車に乗った。


母親「今晩はお寿司よ。楽しみね。」


楓「・・・」


楓はうつ病のせいで食事にも興味がなくなっていた。


母親「あんなところに屋台なんてあったかしら。行ってみない?」


楓「うん。」


楓は屋台に吸い込まれるように入っていった。


エドゴン「いらっしゃいませ。」


母親「何が売られているんですか?」


エドゴン「そちらの娘さんにはAIスキャンを受けてもらいます。今の娘さんに相応しいアイテムが出現します。」


母親「お願いします。」


エドゴン「かしこまりました。AIスキャンを開始します。」


びろろろろーん!!


わずか3分ほどでAIスキャンは終わった。


エドゴン「おおこれは!ケロッとでございます。」


母親「ケロッと?一体どういったものなんですか?」


エドゴン「それは使ってみた方だけがわかるのでございます。」


母親「いくらですか?」


エドゴン「1,000円でございます。」


母親「安いわね。ケロッとというくらいだから娘もケロッとするかもしれない。わかりました。ください。」


エドゴン「お買い上げありがとうございます。」


母親「不思議な屋台だったわね。」


楓と母親は帰路についた。


【3.効果】


母親「ケロッとだっけ?使ってみたら?」


楓「うん。」


どうやらケロッとは錠剤のようである。楓はケロッとを恐る恐る飲んでみた。


楓「ケロッと!」


変な声が出ましたが体に異変はないようである。


母親「どう?飲んでみて。」


楓「あまり変わらないかな。」


母親「そうよね。1,000円でうつ病が治るはずがないわよね。」


しかし少しずつではありますが楓はケロッとの効果を実感してきた。


楓「あれ?なんだか体が軽くなって来たような気がする。・・・気のせい?」


しばらくすると本当にケロッとして来た様子。さっきまでの鬱々した気分が嘘のようだ。


楓「お母さん。なんだか気分がよさそう。」


母親「ケロッとが効いてきたんじゃない?」


楓「こんな気分久しぶり。」


母親「しばらく様子を見て、無理はしないでね。」


楓「うん。」


楓は調子を取り戻して行った。


【4.色々できるように】


楓はやる気が少しずつ出てきた様子。


楓「料理手伝うわ。」


母親「どうしたの急に。助かるけど。うつ病、良くなってきたんじゃない?」


楓「うん。」


楓は煮物を手伝った。


母親「こうやって一緒に料理をするのは何年振りかしらね。」


楓「そうだね。」


そして夕食。やはり自分で作った料理は格別に美味しかった。


楓「美味しい。」


母親「うつ病、良くなっているのかもね。」


楓「明日はお部屋の掃除もやってみるわ。」


母親「すごい!」


翌日、楓は自分のお部屋の整理整頓やお掃除をすることができた。うつ病は治ってきている様子。


【5.アルバイト】


楓「私、アルバイトもやってみたいの。」


母親「そこまで調子が良くなってきたのね。いいんじゃない。アルバイトやってみたら。」


まだ若い楓は色々なアルバイトが選択肢として挙げられた。


楓「どれがいいかしら。」


飲食店、コンビニ、スーパー、事務、アパレルなどなど。


楓「アパレルがいいかな。」


楓はうつ病が少し良くなってアルバイトの面接に行くほどまで症状が回復してきた。履歴書を書き、アパレル会社に郵送。


そして面接の日がやってきた。


楓「久しぶりの活動だから緊張する。」


母親「大丈夫よ。行ってらっしゃい。」


楓はユニクロの面接会場にやってきた。


楓「やばい。緊張する。」


そしてなんとか会場に入ることができた。


楓「ふぅ。深呼吸しよう。」


楓はうつ病のことを隠し通し面接をなんとか終わらせることができた。


【6.採用】


母親「どうだった?」


楓「緊張したよ。うつ病がバレないかとヒヤヒヤした。」


そして翌日、楓の元に電話がかかってきた。


面接官「先日は面接を受けていただきありがとうございました。面接の結果ですが、ユニクロで一緒に働いていただけませんか?」


楓「と、いうことは、合格ということですか?」


面接官「はい。合格です。」


楓は飛び上がりたいくらい嬉しかった様子。


楓はお家に帰り母親に報告をした。


楓「お母さん、ユニクロに合格したよ。これから頑張ろうと思う。」


母親「良かったわね。頑張りなさい。今夜は焼肉パーティだね。」


母親はうつ病が治っていく楓を見て一安心した。

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